あらすじ
借金二十両を返し終わるまでに大川を一歩でも渡ったら始末する!賭場の親分に命がけの約束をさせられた大工の銀次。博打で職人仲間の一家までも潰していた銀次は改心し、日本橋老舗呉服屋の手代として新たな人生を歩み始めた。しかし、川を越えねばならぬ出来事が!
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Posted by ブクログ
物語の背景も秀逸でいい作品でした!不運も重なり博打に手を出し、仲間の家庭まで潰して落ちるところまで落ちた大工職人の主人公の銀次が借金を返すために博徒の親分と「借金返済まで大川を渡れない」という命がけの約束を肝に銘じて、心を入れかえ、まわりの粋な仲間に支えられながら成長していく銀次の様が素晴らしかったです!
それにしても終盤の展開には、すっかりやられました!
Posted by ブクログ
博打での借金二十両の利息を払わなくてもいい条件として、『きっちり二十両を持ってくるまでは大川を渡るな』という約束をした銀次が、約束を破って川を渡るのは?というあらすじ紹介のツカミから、心根を入れ替えた銀次の苦難、銀次を見守る人びとなど描いた『再生』の人情時代小説。
あとがきによれば著者初の長編との事で粗削りの面があると自身書いておられるが、初でこの筆力ならば、のち直木賞を受賞されるのもむべなるかな。
山本一力氏初読みだったが追いかけたい。
Posted by ブクログ
山本一力さんの作品はどの作品も人情物で物語の中に引き込まれます。
主人公・銀次の1度は失敗したものの真面目な人柄、だからこそ彼を取り巻く人達の温かい協力…
山本一力さんの作品を読むと江戸にタイムスリップしたくなります(笑)
最後の大芝居は大どんでん返しで面白かったです。
Posted by ブクログ
小説の舞台となる地域の地図がついている事がまずうれしかった。長編小説といっても、この小説のように何年かにわたる息の長い話を書くのが、山本一力は巧いなと思う。
Posted by ブクログ
俺はお店から暇を出されたこれに思い当たり、銀次の腰が砕けたのだ
昔を振り返って、その当時の仕事を片っ端から消しゴムで消してしまうのは、おのれの軌跡を否定するも同然です。たとえ未熟であっても、その当時にしかできないこともあります
Posted by ブクログ
なんだこの山本さんらしくも無い、いい加減なエンディングは。最初はそう思いましたね。でも更に見事にひっくり返してくれました。ちょっと出来すぎですけどね。
1994年に書かれた最初の長編だそうです。随分荒っぽいところも感じられます。例えば腕の良い大工の銀二が、借金を抱えた身で、乞われたとは言え給金の下がる呉服屋の手代になる必然性は有りません。でも、まあそういうところは無視しましょう。
そういえば、このストーリーは先日読んだ"蒼竜"の中の"のぼりうなぎ"に似てますね。こちらは腕の良い指物師が呉服屋の手代になる話でしたけど。
何はともあれ、山本さんの読後感の良さは、このような初期の作品から現れています。
Posted by ブクログ
良くも悪くもTHE山本一力という小説
比較的ストーリーに山がなくあっさり展開してしまうことがおおいが、本作品は展開があって面白かった。
でも再読はないかな。
Posted by ブクログ
美しく晴れて澄み切った空のように、読後が気持ち良い本です。主人公の一生懸命さや、周囲の人物の奥深さなども楽しむことができます。江戸時代の精神文化の高さに酔いしれて、自分も努力家になりたいと、若い気持ちになりました。
Posted by ブクログ
イライラをいつのまにか人のせいに
している主人公
でも、人間って気がつかないこと多い
自分に都合の悪い事を言う人間を恨み
先のことを保証できなくても、自分の
感情の命ずるまま行動してしまう
ばくちで20両の借金を負った銀次は
腕のいい大工
しかし、利息の取立てに窮して知人を
賭場に紹介し、破滅に追い込んだ
悔やんだ銀次は親分に、大工としての
腕で返済をしたいと申し込むが、そこ
で制約を言い渡される
大川を越えて深川に来るのは、20両
の借金を返済するときのみにしろ!
自分で生きる世界を狭くした制約の中
生き抜く決意・・・
本当に山本先生の作品は、人間ドラマ
が厳しくもすがすがしいです
読むべし!
Posted by ブクログ
山本一力作品2冊目。
相変わらずの引き込まれようだ。
銀二の人となり、その周りを取り巻く人物の寛容さ。
たったの一歩踏み外した道のせいで、誰もが出来うる行動ができずになる銀二。
しかし、自分の犯した罪を見つめ周りに支えられ、幸せな結末になるのは銀二のそもそもの性格が呼び寄せたものなのだろう。
男気溢れる、かっこいい作品である。
Posted by ブクログ
時代小説、基本的に武士のお話しが好きなんですが、山本一力の作品は登場人物が市井の人々でもぐっと引き込まれます。
一番最初に書いた長編小説ということで、解説にもあるように話の運びに「え?」ってなってしまうところがありましたが、一気に2日で読み切ってしまう面白さがありました。
Posted by ブクログ
江戸深川の気風のいい男達が紡ぎ出す人情物語。
山本一力、初の長編物語ということで荒いところも目立つが、後の山本一力を作り出す原点として、しっかりと刻みつけた作品。
Posted by ブクログ
「絶対に大川を渡っちゃならねえ」賭場の借金を
返すまで、なにがあろうと深川にもどれない
大工の銀次は、呉服屋の手代として再起を決意。
先行き順風に見えたが…。苦難にめげない
男の美学を描く時代小説。
Posted by ブクログ
カラッと晴れた秋空のような小説。
必死に更生しようとする銀次とそれを支える人の温かさと正直さがいい。
個人的には商売っ気のない冷水売りのおっちゃんが好き。