【感想・ネタバレ】可哀想な蠅のレビュー

あらすじ

近所で目撃した光景をツイートしたのをきっかけに絡んできた、粘着質なアカウント。芽衣子は、彼をスマホの中で「飼う」ことに決めるが――。SNSで、会社で、家の中で。どこからか湧いてくる、哀れな人たち。蓋をしてしまいたい感情。日常の裏で誰もが「見て見ぬふり」をしているものを突き付ける、ブラックな短篇集。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

今回も心理描写がすごかった。
短編4篇。
どの話も、身近にあるある、わたしの中にある、ないと言い切れない、という感情のオンパレードだった。
武田綾乃さんて本当にどんな感受性なんだろうといつも思う。
どの話も他人事とは思えない部分があったり、そこはもう少し感情表現しておこうよと思うことがあったり、色々なんだけど、とはいえそうなった時わたしはどうなるのか??
とゆーことに関しては、他人事と思えないなと。
最初の話はリツイートで悪口言われる話だけど、そこにやり返さないその子の全部の事情があって、なるほどと思うし、そのパプロフ康成をブロックしてくれた友達の半端ない人を観る目の鋭さに賢さを感じたし、こんな大学生もいるんだなぁと感心したり。で、その子が刺されて死ぬとか結構衝撃的なんだけど、わたしのせいじゃない!と、咄嗟に思ってしまう心理も真理かもしれない。そーゆーところを余さず書くのがこの人のすごいとこかなと思う。
次のまりこさんは、子供の頃はただただ優しい人だったのに、大人になって対等な立場に立ってみたらまりこさんは単なるヒスBBAだったとゆーオチで、それもあるあるだよな、と思うし、主人公の子が優しすぎた。言いなりすぎた。
次の重ね着は、姉妹の違いと姉妹だからこその遠慮のなさと心配と配慮、からの、大事な人を大事に思う気持ちがなんかよかった。これは怖さもなく、いい話で終わった感じがあるけど、でも東京で親元離れて働く女の子の、結婚、子育て、仕事感、我慢、とかそーゆーのは切実なんだろうなと思った。首都圏で生まれ育ったわたしには想像があまりできない。
けど、生活を守るために働くって普通に考えて普通なことが、人間的にはあり得ないよな、と思うのだ。
最後の話は本当怖くて、怖いから呪縛ってタイトルでホラーだった笑
付き合う相手の全てをDV野郎にしちゃう女の子を囲って暮らしたら、その女の子まで同じようになってしまって、最後逃げられた挙句、じぶんは処女を捨てるためだけにやった名前も知らない男の子供を妊娠したとこで終わるってゆーそこがホラーだった。笑
この前読んだのもホラーって思ったけど、この方なんでも書けるからすごいなと思います。今1番好きな作家さん。

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2024年08月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

短編集。「可哀想」という感情のなんと厄介なことだろう。そんなことを考えさせられた4編。イヤ~な感じなのにさくさく読めてしまった。
だが、なんだこの疲労感は。あ~しんどかった。
こういう小説を読んでいると、なんだか自分のことを省みてしまうなあ。自分はどうだったろう?
「呪縛」が印象に残っている。だんだん怖くなってくる感じがたまらないが、ページをめくる手が止まってくれない。
風呂場でのシーンはほんとヤバい。
平手打ちして、思ったより音が鳴らなかったので、もっかい打つとことか!
武田さんの本は青春ものを中心に読んできたけど、こういうのもあるんだなと思った。
他の作品にもトライしたい。

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2024年01月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かった。
サラサラ読める。

まりこさん、
怖かった。
大人になると見えてくるもの。
異常さ。

呪縛。
面白い。
そうなってくんだなぁ。。。

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2024年08月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

短編集4篇
姉妹の結婚観をぶつけ合いながらの伏見稲荷の山登りの「重ね着」はどちらもあるあるだ。これだけが唯一普通だ。
その他の3篇はSNSの怖さ、猫屋敷の不気味さ、エスカレートしていく共依存、ブラック色に溢れている。人間への信頼が失われてやりきれない気持ちになる。

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2023年12月10日

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