【感想・ネタバレ】日本代表・李忠成、北朝鮮代表・鄭大世~それでも、この道を選んだ~のレビュー

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Posted by ブクログ

李忠成と鄭大世。
わかってる人には当たり前のことだが、「り・ただなり」と「チョン・テセ」と読む。
ともに在日であり、サッカーの国家代表ストライカー。
ただ、忠成は帰化して「日本代表」になる道を選んだ。テセは「北朝鮮代表」である。
という二人に密着したドキュメント。

サッカー好き、という立場から読み始めたんだけど、内容としては「在日」の話。
在日って言われても、もちろん知ってはいるものの正直ピンとこなかったが、読んでいろいろと感じるところがあった。
何とも特殊な環境で、普通の日本人では体験できないような苦労の多い立場である。
ってわかったようなことあんまり言うべきじゃないんだろうけど、読む前よりはずいぶんいろんなことがわかった。

日本国内ではアウトサイダー。悪意がある場合もない場合もあるだろうが、差別されがちな立場として生きている。
一方で、在日は本国でもやはりアウトサイダーなのであった。
それが転じて、という部分もあるのだろうが、在日同士の絆、信頼関係は極めて強いという。
幸せなことなのかよくわからないが、すごく独特な存在で、特異な体験をしてきているのだろう。

二人の青年は爽やかで好漢だし、その決意や感情の動きに揺さぶられて感動もするし、とても良い話である。
個人的には、「李という名字を名乗ったまま日本に帰化し、在日の新しい生き方を後輩たちに示す」という忠成の決意に惚れた。
テセの純粋さもすごく魅力的だし、読めば二人とも好きになって応援したくなる。

サッカーに興味がない人にもお奨め。
そもそも僕もサッカーを全然わからない母親が「読んで面白かった」と言うから読みだした。
母親は僕に貸してくれたつもりかもしれないが、返すつもりはない。このまま借りパクする予定である。

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2012年03月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

同じ「在日」という境遇の中育った李忠成と鄭大世がなぜ違う道を選んだのか。
3年以上2人を追いかけた2人の記者が綴った軌跡本。

サッカー選手の本はたくさん出てるがその中でも読んでみたかった1冊。
1人ひとりのサッカー選手としての人生を描いた本としてはとても感動した。

最後の北朝鮮サポーターから李忠成に大きな拍手が起こり、日本サポーターからは「チョンテセーー」と大きな声が上がった、という部分。
なぜか涙が出そうになった。

時代は進んでいき人々の認識も変わっていく。
そんなことを感じた本だった。

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2012年02月15日

Posted by ブクログ

元々関心のあった在日コリアンの話。
それを、2人のサッカー選手を通して考えることのできる本。

等身大のふたりだからこそ、より身近に在日コリアンたちの立場や心境、葛藤を感じることができた。

覚悟したものだけが打てるシュート。

アジアカップ決勝での李忠成のゴールを思い出し、胸がいっぱいになった。

これからも、ふたりを応援していきたい。

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2012年03月21日

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