【感想・ネタバレ】鳥啼き魚の目は泪のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

好きな著者だったので。

華族と庭、殺人のお話。
「ボニン浄土」に続いて、おとぎ話のようなお話。

京都のお寺の庭をぼーっと見たりするのは好きだが、
その意味や設計者の意図は考えたことがなかった。
あまり大きな庭は好きじゃないなーとぼんやり思ったりしたことはあったが、
市井の人々と違って、
大名や華族は町や野山をを自由に出歩くことができなかったことを考えると、
大きな庭は自然を楽しめる小さな世界だったのだろう。

あだ花、と言ってはひどいかもしれないが、
「華族」を華やかながらも儚い姿に描いているところが、
おとぎ話に思えるのだろう。

庭の池から死体が発見されたのをきっかけに、
作庭師に庭づくりを依頼した侯爵。
庭づくりを通して変わっていく侯爵と侯爵夫人と作庭師。
その死体だけで殺人が終わった訳ではなかった。

庭でも、作品でも、重要な役割を果たしているシラカシが、
どんな樹木なのかが実感できないのが残念。

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2023年09月03日

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