あらすじ
十月■日。文学研究会に所属する俺・天内晴麻は校舎で死体を発見する。彼女は冷堂紅葉の旧友だった。
「犯人を……必ず突き止めます」
「あぁ、俺と冷堂ならできるさ」
不死探偵と普通の相棒。
二人は真相究明を決意するが――。
【喫茶店の密室。同時刻連続殺人。ダイイングメッセージ。ショッピングモール爆破。冷堂父の不可解な死。】
連鎖する事件。付き纏う死の影。運命のいたずらか、それとんも……。
謎めいた事件に挑む学園ミステリ、衝撃の結末が待ち受ける第二弾!
――君の『希望』になりたい。
※電子版は紙書籍版と一部異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
今作もめちゃくちゃ面白かった!
まず、作品内で2度の『読者への挑戦状』に驚いた。
そして、2度とも推理しきれなかった、、、
やはり零雫先生の思考には追いつけず、作家さんは凄いなぁ〜と感嘆してました!(悔しいw)
何より、最後の最後まで『ドーレー可愛い過ぎだろ』と冷堂さんの魅力の虜になりました!
今作は個人的には1作目よりも、より緻密でより多彩なラノベ本格ミステリに仕上がっていたと思います。
日常~事件、トリック、推理に至るまで、登場人物の特徴を上手く活かされていたと感じました!
だからこそ、推理出来ると意気込み挑んだのですが、まんまと騙されましたww
また、ラストに向けての疾走感、ラノベとしての戦闘、アクションまで存分に堪能しました!
全体的に一気に物語へ取り込まれ、上質な1本の映画を観ている感覚でした!!
次回作も早く読みたくて仕方ない!
少しでも気になる方は読んで欲しい、おすすめの一作品です!
Posted by ブクログ
本作は、シリーズ第二巻として物語の輪郭をさらに鮮明にしながら、その核心に静かに踏み込んでいく一冊である。前巻で提示された“不死”という特異な設定は、本巻において単なるギミックではなく、存在そのものの在り方を問い直す装置として機能し始める。冷堂紅葉という人物が背負う時間の重み、そして彼女が他者と関わることの意味が、より深く、より切実に描かれている。
タイトルに掲げられた「希望」は、決して軽やかな言葉ではない。むしろ本作においてそれは、喪失や痛みを経た先でようやく見出される、脆くも確かな灯のように描かれる。物語の随所で突きつけられる選択は残酷でありながら、その選択の中にこそ人が生きる理由が宿ることを、本作は静かに語りかけてくる。
ミステリとしての構成も堅実で、事件の解決そのものよりも「なぜそうならざるを得なかったのか」という人間の内面に焦点が当てられている点が印象的だ。論理の明晰さと感情の必然性が重なり合うことで、読後には単なる謎解き以上の余韻が残る。読み進めるほどに、登場人物たちの選択が持つ重みが胸に迫り、その重さこそが物語の価値を形作っていると感じた。
特筆すべきは、冷堂紅葉の佇まいである。不死という特異な存在でありながら、決して超越者として描かれない。むしろ人間よりも人間的な葛藤を抱え、迷いながらも誰かのために在ろうとする姿は、静かな強さを湛えている。その姿勢があるからこそ、本作の「希望」は抽象的な理念ではなく、血の通った感情として読者に届くのだろう。
本巻は派手な展開に頼らず、人物の心情を丁寧に積み重ねることで物語を深化させた。読み終えた後に残るのは高揚感というよりも、確かな充実感である。痛みを知ったうえでなお前を向こうとする意志――その尊さを静かに、しかし力強く描き出した本作は、シリーズの価値を一段と引き上げる重要な一冊であると感じた。