あらすじ
綴られるのは、一人の男の軌跡。
人に騙され、王に利用され、多くの者達の思惑に振り回される、滑稽な物語。
友の知恵を借り、精霊から武器を授かって、なし崩し的にお姫様を助け出してしまうような、とびっきりの『喜劇』。
道化が自由に踊り、自由に謳う、とっておきの茶番。
愚物から愚者へ。
愚者から世界へ。
世界から未来へ。
正義が巡るように、神話もまた巡る。
「神々よ、ご照覧あれ! 私が始まりの英雄だ!!」
だから、そう――これは道化の『英雄譚』に違いないの。
※電子版は紙書籍版と一部異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください
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Posted by ブクログ
才能も力もない、英雄になることではなく皆が笑顔になることを願った道化が紡ぐ物語。
王の所業を暴いて懲らしめるのではなく、声と形を活用して国民を味方につける頭のキレは凄いと思う。
本心の時と道化を演じてる時とで一人称が変わっているのも、自分の非力さを嘆くアルゴノゥトの人間味が垣間見えてよかった。
平和が訪れてもオルナをはじめとした皆の笑顔が見られないというのは皮肉だし辛かった。
この物語といい、ベルといい、白髪の少年は雄牛と戦う運命なのかな。