あらすじ
小さな調査会社勤務のおれに、ある日、競争相手の会社で開発中の新製品がどんなものかを調べてくれという命令があった。つまり、産業スパイをしろというのだ。会社の研究所にはもぐりこめたものの、たちまち守衛につかまってしまい、その会社の独断で処罰されることになったが、その処罰とは未完成のまま放置されていたテレポーテーション装置を使って、地球外へ追放するというのだ! 産業スパイがバレて、地球外へ〈追放の刑〉になった男の幻惑「地球から来た男」ほか16編。
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Posted by ブクログ
1つ前にけっこう読むのに体力を要する本を読んだので、このショートショートが丁度よかった。
小学生の時に教室に置いてある本で、星新一があった気がする。その時も熱心にいろいろ読んだが、ほぼすべて忘れてしまった。久しぶりに星新一のショートショートを読んで、この読後感が懐かしいような、こんな感じだったっけ?みたいな気持ちにもなった。記憶ではすべての話のオチがスッキリしてたような気がするけれど、改めて読むと案外不思議のままで終わっているのも多いんだなと思った。
表題作である「地球から来た男」と、「ゲーム」と「戦士」が特に面白かった。
「地球から来た男」はオチで自分が真相に気付かされるのではなく、主人公だけがにもわかっておらず、それを眺めるという構造が楽しかった。
「ゲーム」や「戦士」は自分の思い描いていた星新一のショートショートという感じで、悪魔との契約や近未来といったよくある話題の中で、その発想は無かった、みたいなオチがあって、懐かしさも相まってよかった。
特に「戦士」の未来の安楽死の発想は、今考える未来としても十分にあり得そうで、これが40年以上前に書かれたというのが信じられない。
Posted by ブクログ
はじめての作家。カドフェス2016で、手にした。不思議の世界に連れて行かれ、最後は思いもよらない転回で終わる。短いストーリーの中で、内容はとても濃いもので、物語の中に引き込まれる!何なんだ?この作家は……。別の作品も読んでみたくなった。
Posted by ブクログ
あらゆる男たちが主人公のショートショート集。
「死」が絡むほんのりヒヤッとするようなストーリーや、皮肉が混じったオチが多めな印象です。私は好き!
〈お気に入り〉
向上・・・病気にさせるレーザーで悪人を排除していく話。権力の危険性。
あと五十日・・・死ぬ恐怖と、死なない恐怖。
もてなし・・・上手い話には裏がある。
Posted by ブクログ
星新一の作品をまともに読むのはこれが初めてかもしれない。
もっとSFっぽいものを想像していたのだが、ちょっと趣が違ったのが意外だった。
表題作等を読んで、その毒気というかブラックユーモアに、変な喩えかもしれないが『笑ゥせぇるすまん』の喪黒福造を想起した。
ある種社会を風刺したそのアイロニーには小気味よく、古さを感じさせない洗練されたセンスにはさすがとしか言いようがない。
Posted by ブクログ
星新一を知ったのはおとんのおかげだ。幼い頃、落語のように、星新一を語り聞かせてくれた。おとんは話が上手く、それをそっくりそのまま真似て小学生の頃わたしも話が上手い人みたいになっていたっけ(笑)この本の中だとあと五十日が面白かった。