【感想・ネタバレ】死にたい老人のレビュー

あらすじ

もう充分に生きた。あとは静かに死にたい――。83歳の小説家は、老いて身体の自由がきかなくなり、男の機能も衰え、あらゆる欲望が失せ、余生に絶望した。そして、ゆるやかに自死する「断食安楽死」を決意。すぐに開始するや着々と行動意欲が減退、異常な頭痛や口中の渇きにも襲われ、Xデーの到来を予感する。一方で、テレビのグルメ番組を見て食欲に悩まされ、東日本大震災のニュースにおののきつつも興味は高まり、胃痛に耐えられず病院に行く。終いには、強烈な死への恐怖が! 死に執着した小説家が、52日間の断食を実行するも自死に失敗した、異常な記録。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

生きたいように生きることはできても、死にたいように死ぬことは難しい……。

ツッコミどころが多いというか全体的に何をしたいんだこの人は周りの人間めちゃくちゃ迷惑だな……と思いながら読んでいたのだけれど、個人的に印象深かったのはあれだけ自分の頭で考えて死ぬことを選んだのだ死を恐れないと繰り返していた著者がいざ死に対するおそれを自覚したとき、他者の言葉が原因だとあっさり他人のせいにしたこと。
一番人間らしさを感じたかも知れない。やるせない。

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2020年08月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

題名と断食安楽死の記録という見たことない内容に惹かれて。

『人間は寿命に従順であるべきだ』
82歳2ヶ月(!)で「女性とセックスできなくなった」ことを引き金に、
断食安楽死を決意する。
持病である心不全や、
断食の合併症である胃潰瘍からの腹膜炎での死は、
死の無駄遣いだという。だから薬も欠かさない
変なおじいちゃんであることは明白やろ。
結局失敗に終わるねんけど、
その過程も「人間って可愛らしいなあ」って思わされる。
「飴食べたー!」「コンビニで誘惑に負けたー!」とか
ちょいちょい笑える。

断食実行中に起こった東日本大震災で、
生きたい人が死んでいく様子を見た著者。
一方で死にたいのに死ねないことに苦しむ。

孤独で寂しいおじいちゃんの長話を
聞かされた感じの一冊やった。
特に3章。
長生きしてるだけあっていろんなこと知ってるから
面白いっちゃ面白いけども。

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2014年01月21日

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