【感想・ネタバレ】藍色時刻の君たちはのレビュー

あらすじ

2010年10月。宮城県の港町に暮らす高校2年生の小羽(こはね)は、統合失調症を患う母を抱え、介護と家事に忙殺されていた。彼女の鬱屈した感情は、同級生である、双極性障害の祖母を介護する航平と、アルコール依存症の母と幼い弟の面倒を見る凜子にしか理解されない。3人は周囲の介護についての無理解に苦しめられ、誰にも助けを求められない孤立した日常を送っていた。しかし、町にある親族の家に身を寄せていた青葉という女性が、小羽たちの孤独に理解を示す。優しく寄り添い続ける青葉との交流で、3人が前向きな日常を過ごせるようになっていった矢先、2011年3月の震災によって全てが一変してしまう。2022年7月。看護師になった小羽は、震災時の後悔と癒えない傷に苦しんでいた。そんなある時、彼女は旧友たちと再会し、それを機に過去や、青葉が抱えていた秘密と向き合うことになる……。宮城県出身の現役看護師による、魂が震える傑作!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

2024/09/02予約 11
宮城県に住む高校2年の3人のヤングケアラーの日常から東日本大震災を経て東京で再開するまで。統合失調症の母を介護する小羽。双極性障害の祖母を介護する航平。アルコール依存症の母の介護と弟の面倒をみる凛子。
家族という名のもとに 存在する「福祉における含み資産」。とんでもない言葉が突き刺さる。「家族は支援者にはなれない」これも、その通り過ぎて、赤の他人に言われないと気づけないことかもしれない。
著者は男性だったんですね、勝手に女性だと思い込んでた。
ヤングケアラーにも、他にも福祉の谷間に落ちてしまう人にも、必要な支援が届くようになってほしい。
つらい話も多いけど目をそらしてはいけない、考えることの多い作品でした。

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2024年11月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

高校2年生の青春ものだったらどんなに良かっただろう。ヤングケアラーとして家族を支える3人それぞれの終わりの見えない日々と友情、偶然知り合った優しい女性の励ましと支え、そして何もかも飲み込んだ震災。前半の重いテーマに胸ふさがりながら後半へ。11年後を描いた生き残った人の苦しみを読みながら、最後に明るい兆しが見えて良かった。

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2025年01月09日

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