あらすじ
大藪賞&推協賞W受賞! 新鋭が放つ骨太ミステリ
昭和29年の大阪で起きた連続猟奇殺人事件。中卒叩き上げの若き刑事・新城と帝大卒の警察官僚・守屋は戦後日本の巨大な闇に迫る。
※この電子書籍は2020年8月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
「ババヤガの夜」を抑えて、第74回日本推理作家協会賞をとった作品だったので。
面白かった。
戦中から戦後の人間性がむき出しになる時代を舞台に、
大阪市警視庁という8年しか存在しなかった自治体警察を取り上げ、
東京帝大卒の国家地方警察の警部補と
新制中学から警察学校卒の大阪市警視庁の巡査が組むという、
硬派な作品で面白かった。
いかにも、という感じの大阪の雰囲気や物言いも。
国会議員秘書と政治的な活動をしていない「政治団体」の長が、
同じように顔を麻袋に包まれていた状態で殺された。
国会議員のガードは固く二人の関係が判らないまま、
さらに麻袋を頭に被せられた死体が川で見つかる。
自治体警察を吸収しようとする政情の中、
大阪市警察庁内の派閥争いや地元政財界との癒着、国警との軋轢が、
捜査に不穏な影を落とす。
満州でだまされて農場も家族も失い、
シベリアで収容中に病いの友をで自分の手で殺さなければならなかった復讐のためとはいえ、
犯人がルンペンを使ってアヘンを売りさばいていたのはちょっと納得がいかない。
しかもそれをえびす様のお導きだ、としていたことも。
推理協会の先生方が「ババヤガの夜」よりこちらに票を入れたのもわかる気がする。
とりあえずミステリーっぽい。
できれば、あと1.5倍ぐらいの長さにしてほしかった。
大阪府警察庁最後の事件として。
Posted by ブクログ
戦後日本の社会、戦争被害者の境遇、それらの要素を全てが正反対な2人の主人公が事件解決のために紆余曲折しつつも進むという王道ミステリー小説にうまくまとめ上げた作品。文字数も難しい文字も多く、会話にはその当時さながらのこてこての関西弁が多く、読みづらい部分は多かったが、それ以上に物事のテンポが良く、ストーリーの進展が気になって熱中して読むことができた。