あらすじ
人の生死は潮の満ち引きに同調すると、子ども時分に聞かされた。引き潮どきに逝った谷崎潤一郎。いわれに逆らうように「満ち潮どき」の死を択んだ三島由紀夫。相次いで逝った父と母、戦没した息子を思いつづけた伯母の死は……。亡き面影をたどり、生と死の綾なす人間模様を自在な筆致で描きだす「逆事」ほか珠玉の全五篇。
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Posted by ブクログ
リアリスティックでミステリアスな短編集。ごく普通の日常の風景の中に存在する微妙な空気や突然襲ってくる恐怖が、読者の前に繰り出される。いやいや、繰り出されるというより、放り出される、といった方が正しいかもしれない。そして、目の前に放り出されておろおろする読者の様子を、著者はどこかで微笑んで見ているような気がする。
Posted by ブクログ
いずれも著者の経験と小説の中間にあるような日常小説。ごく普通の日常が実は非凡さに満ちていることに、我々読者は衝撃を受ける。そのことを一人密かに感じ取る主人公の感性に驚かされる。高齢の著者の最近の作品であるのだから、半分の年齢の我々は、心して感性と向き合わねば、と思う。
Posted by ブクログ
河野多恵子さん、初挑戦。
エッセイのような、小説のような。
泥棒に入られたことが間違いなくあるだろうなと思いました。
たぶんあれはエッセイで、小説にもしたんだろう。
すごく色々なことを思って書いたんだろうなと思いました。
私にはなんとなく難しくて、たぶん河野さんが伝えたいことのいくらも分かりませんでした。
他のも読んでみたいです。