あらすじ
大学職員は「年収一千万円以上で仕事も楽勝」と噂の人気職だが、はたして真相は? 大企業と似たような仕事内容がある一方、オーナー一族のワンマン経営で、ブラック職場の例もある。国公私立でもまた事情は千差万別。私立大学の元職員である二人の著者が、学生や外部からは見えにくい組織のピンキリな舞台裏を明かしつつ、18歳人口が激減する業界の将来不安、職員が抱えがちなキャリアの悩み、教員との微妙な関係性、そして高度専門職としてのモデルや熱い想いを伝える。それでも大学職員になりたい人、続けていきたい人、辞めようかどうか迷っている職員のための必読書。
まえがき――ネット上の噂は本当か?
1章 仕事はピンキリ、大学職員の虚々実々
2章 この先「食いっぱぐれない」仕事か?――18歳人口減少の激流の中で
3章 「大学業界らしさ」の良さ、悩ましさ
4章 それでも大学職員になりたい人へ
5章 すごい職員はどこがすごいのか?
【参考資料】大学職員のお仕事カタログ
あとがき――大学を動かすキーパーソンへ
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Posted by ブクログ
国公私立大学のあるある話、耳の痛い話など、あーそうそうと日頃感じていることが言葉になっていて、もっと深く考える材料になりました。
以下、特に気になった言葉(〇)と私の考え(■)です。
〇利益最大化というわかりやすい経営指標がある民間企業に対し、ミッションが複雑な非営利組織
■多様な成果をデータで見える化すること、評価軸を決めること、その上でビジネス思考を含めた総合力が必要な組織。
〇担当する職員によっては学生や教員のことを第一に考えた価値あるアウトプットが生まれます。そうでない職員が担当すれば本当に最低限の、悪い意味でのお役所的な手続きになります。
■前年踏襲意識は劣化コピーになる。守ろうとする意識も同じ。前年より効果の2割アップを目指す。
〇実際にはしかし、「先生の言うことには従っておこう」と場当たり的な対応をしてしまう職員も少なくないように思います。
■どうでもいいことはそれでもいいが、ここ一番の場面では「裏方ほどおいしい仕事はない!」野村恭彦著の「置き石、水やり、待ち伏せ」が有効。むしろ、教員組織を味方に、かつテコにして、大学を動かすことができる。
〇「楽そうだから」「安定している組織だから」といった安易な志願者を見抜くのも人事部の役目。
■これは採用された側も最も不幸なケース。公務員も同様で、混沌の中で活路を見つけて挑戦できる人が来てほしい。
〇職員同士が協働することで解決の糸口が見えてくることがある。
■先日、入試課と教務課と学生課のデータを組み合わせて、入学前準備教育に活用したが、まだまだ使えるデータがある。