【感想・ネタバレ】創られた「日本の心」神話~「演歌」をめぐる戦後大衆音楽史~のレビュー

あらすじ

「目からウロコ」「衝撃的」「出色」と各界から絶賛の嵐!2011年度サントリー学芸賞受賞!(芸術・文学部門)。2011年度国際ポピュラー音楽学会賞(非英語部門)受賞、2011年新書大賞10位。明治・大正期の自由民権運動の中で現れ、昭和初期に衰退した「演歌」。これが60年代後半に別な文脈で復興し、「真正な日本の文化」とみなされるようになった過程と意味を、膨大な資料と具体例をもとに解き明かす。【光文社新書】

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Posted by ブクログ

ネタバレ

いわゆる「演歌」は日本の心である、という現代の人たちにほぼ疑いなく浸透している意識に対し、本当にそうなのか?という疑問を持った筆者の力作。
徹底的に資料を読み込み、豊富な実例を挙げながら、「演歌=日本の心」となっていく過程について丁寧に語っている。
そもそも演歌は演説歌の略称であったはずなのに、一体いつからそのような認識が広まっていったのか、一体誰がそれを作り上げたのか。
それは、左翼的文化人と、レコードを売りたいレコード会社と、そしてマスコミによる意識的/無意識的な絡まりあいであった、と理解しました。

目から鱗のことばかりで、読んでいてとても刺激的でした。

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2017年01月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「演歌は日本の心」とは果たして本当か?レコード会社の思惑や共産党の文化指導とそれにあらがう人々の足跡を膨大な史料から論じる。昭和歌謡史を辿る中でその「神話」創造を腑分けする一冊。

「日本人の心としての演歌」が定立するまでは、様々な洋楽がしみこんでいる。森進一のしわがれ声は、ルイ・アームストロングの模倣との指摘もあり。輪島裕介『創られた「日本の心」神話 「演歌」をめぐる戦後大衆音楽史』光文社新書。その多様性が単一性へ置換されていくのが昭和歌謡史の一つの側面。

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2012年08月25日

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