あらすじ
近代日本の“運命の一日”を描いた不朽の名作。太平洋戦争を終結させるべく、天皇の「聖断」に従い和平への努力を続ける首相鈴木貫太郎をはじめとする人々と、徹底抗戦を主張して蹶起せんとした青年将校たち──。玉音放送を敢行しようとする政府関係者に対して、陸軍の一部軍人は近衛連隊を率いて皇居に乱入した。そのあまりにも対照的な動きこそ、この一日の長さを象徴するものであった。玉音放送が流れた昭和二十年八月十五日正午に至る一昼夜に繰り広げられた二十四幕の人間ドラマ。
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Posted by ブクログ
1945年8月14日から15日にかけて発生した「宮城事件」(みやぎじけん)と呼ばれるクーデター未遂事件の話です。
昭和天皇がポツダム宣言を受諾すると言ってから、国民に伝えるまでにクーデター未遂が起こっていたことは知りませんでした。
ただ、「お国のために」と戦争を指揮してきた軍隊の上層部や日本が勝つと信じて疑わない人たちが、クーデターを起こそうとするのは割と自然な流れのような気もします。それが天皇の聖断としても、自分の正義を武力で貫こうとしている人は恐いと思いました
最終的にクーデターが失敗に終わり、昭和天皇による玉音放送が実現したことは、日本の歴史が大きく転換する決定的な瞬間となり、終戦記念日を迎えるたびに心が熱くなります。
文章が難しくて、読むのが大変でしたが、近衛師団長森赳陸軍中将が殺害や、阿南陸相の割腹の場面は壮絶で印象的でした。映像化されているので機会があったら観てみたいです。