【感想・ネタバレ】みんなのスタートアップスタジオ 連続的に新規事業を生み出す「究極の仕掛け」のレビュー

あらすじ

米国シリコンバレーを中心に、連続的に起業や新規事業を次々と生み出す「スタートアップスタジオ」が台頭し、大きな注目を集めている。スタートアップの9割は失敗する。一生に一度のアイデアで金脈を掘り当てたとしたら、その創業者は運がいい。そんな話をみなさんも聞いたことがあるはずだ。スタートアップを成功させるのがそれほど難しいのなら、なぜ、スタートアップスタジオは、それを何度も達成できるのだろうか。当然のことながら、多くの人が不思議に思っている。
本書の著者たちは、スタートアップスタジオに参加して、内側からスタジオが離れ業を成し遂げる様子を目の当たりにした。だが、それでも、まだいくつか大きな疑問が残った。

・スタジオを設計・運営する最良の方法とは何か?
・スタジオはなぜ財務的に成り立つのか?
・スタジオは業界全体でどの程度の成功を収めているのか?

起業に関わる業界の中では、多くの人が著者たちと同じ疑問を抱いている。この業界はまだ新しく、内部の人でさえ、これらの問いのすべてに答えることはできない。そこで著者たちは、この三つの疑問を解消すべく、スタンフォード大学ビジネススクールで、スタートアップスタジオについての調査プロジェクトを開始した。本書は、その成果をまとめたものである。
日本でも、政府が2022年を「スタートアップ創出元年」とし、イノベーションの鍵となるスタートアップを5年で10倍に増やすと宣言した。その実現のために、スタートアップスタジオから学ぶべきものはたくさんある。

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Posted by ブクログ

みんなのスタートアップスタジオ 連続的に新規事業を生み出す「究極の仕掛け」
著:ミッチェル・ピーターマン, シルパ・カナン他

スタートアップスタジオとは、スタートアップを創出する組織のこと。アイデアを練り、試し、プロダクトをつくるために必要な初期資金を提供する。また、創業チームの編成も行なう。そうした貢献と引き換えに、スタジオは、立ち上げた会社の株式の共同創業者持ち分を与えられる。

スタジオは急成長を続けている。スタートアップスタジオの数は2013年から625%増加し、世界中で710のスタジオが事業を営んでいる。

スタジオは万全のサポート体制を整えたビルダー集団である。そのためアクセレーターやインキュベーターなど他のスタートアップ支援組織よりはるかに深く経営に関与する。アクセレーターやインキュベーターはさまざまな規模のプログラムを通じて期限付きで支援を行うことが多いが、スタジオは自らベンチャーを企画・開発する。

本書の構成は以下の4章から成る。
①スタートアップスタジオの基本
②スタジオのアプローチ
③創業者の決定事項
④スタジオモデルの徹底分析

アメリカを中心として増加している「スタートアップスタジオ」という仕組み。日本でもその動きは広がりつつあるも、黎明期でもあり、その浸透と発展には懐疑的な姿勢も見られる。

新しい概念ではあるものの、目的は同じであり、各要素を見ていくと今までやっていることの組み合わせ方が違っていたり、新しい要素が核部分とそれ以外において入れ込まれている。新しく、有機的ではあるものの、今の日本においては、既存のやり方の中に新しい要素を組み入れている等、見方によってはスタートアップのエコシステムへのアプローチは似ていると考える。

色々なアプローチを学ぶ中で、最終的にはあまりこだわり過ぎず、その時に応じた適材適所の方法で「ヒト対ヒト」を意識し、選択し、組み合わせ、貢献していきたい。

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2025年01月04日

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