【感想・ネタバレ】君の六月は凍るのレビュー

あらすじ

30年前に別れた君が凍死体で発見されたと聞き、わたしはあの町での君との記憶を呼び覚ます。わたしは忘れない、あの時、君があげた叫び声を──。名前につきまとう性別のニュアンスをあえて削ぎ落とす試みを、叙情豊かに描いて絶賛を浴びた傑作。「ベイビー、イッツ・お東京さま」併録。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

やばいめちゃめちゃ面白かった
一編目も二編目もなんだろ読み終わった後にすごいものを読んだと久々に体全体がぞくぞくした。
どちらも信用できない語り手であることは間違いいんだけどラストの衝撃が凄い。
文章も読みやすく引き込まれる。もっとたくさん王谷さんの作品を読みたいと思った。
とにかく人を好きになる時の心情や表現の仕方がすき。
まさかの題名がそのままの意味だとは思いもしなかったよ

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2025年09月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

初読み作家さん。「君の六月は凍る」というタイトルにひかれて手に取りました。2篇収録。内容は全然違う2篇ですがどちらも私にとっては良作でした。

君の六月は凍る
名前を目にした途端に湧き出てきた、わたしと君の三十年前のこと。狭い世界、ありきたりの日常から兄が出ていくという変化が訪れたころ、ひょんなことから関わるようになった君。

初めての気持ちをうまく処理できず相手を傷つける。語られるわたしと君の過去は読み手の私の思い出も蘇らせる。

思い出でできた数珠玉が連なった糸をずるずると引き出すように語られる過去、その文章に身を任せるだけでその思い出に存在する熱と臭いが感じられました。

ベイビー、イッツ・お東京さま
二次創作BL字書き貧困女子の物語。超ニッチ。書かれる現実は悲惨なんだけど言葉選びが秀逸でテンポよく進む。30年以上前に数年二次創作を読んでた知識だけでなんとかなりましたが本当にニッチだなぁ。…帯に「半私小説的作品」とありました。そうでしたか。

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装丁が「どこかで見たことある感じ」と思ったらテッド・チャンの『息吹』などを手掛けられてる水戸部功さんという方でした。

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2023年09月02日

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