あらすじ
私たちの想像が及ばないほど広大な宇宙。その広さは無限大にも感じるが、はたしてそれは本当なのだろうか。また、この世界を支配する4つの力(重力、電磁気力、強い力、弱い力)はいずれも遠隔力であるが、とすると少し見方を変えれば、この宇宙に触れ合っているものはなく、0もまた存在しないのではないだろうか。0と無限大にまつわる素朴な疑問。そんなシンプルながらも深淵な問いに、天文学者が果敢に挑む一冊。
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Posted by ブクログ
「この宇宙に0と無限大は存在するのか?」をテーマに論考と数式が続きます
宇宙の誕生から粒子、そして宇宙の未来も見ながら、時間的、距離的、質量的、エネルギー的に0と無限大に迫ります
面白かった!なんかちょっとワクワクしました
宇宙ってなんかワクワクするね
で、実はなんかちょっとズレたことも考えました
本書すご〜く難しいことがたくさん書いてあって実は半分も理解できていなかったと思うんよ
ノーベル物理学賞級の理論がたくさん登場するからね
そんなすいすい行きませんよ
すいすいのす〜は無理よ
でも面白かったんよな
そういうことってあると思う
ていうか実際たくさんある
難しいから面白くない
難しいから面白い
両方ある
あっていい
例えば一万ピースのジグソーパズル
めちゃくちゃ難しい(極々稀にそうでもないよって人もいるかもしれんが)
わいはこれ無理、途方もない、完成させろって言われたら苦痛でしかない
でもこれを嬉々として取り組む人もいる
なんか本を読むってそんなことなのかもしれないかもしれない
いや最後フワっとしてるな!
Posted by ブクログ
宇宙にゼロは存在するのか?宇宙に無限大は存在するのか?ということをテーマにした本書だが、自分にとっては高校物理(と、少しの大学物理)の復習として読むことができた。
世界が重力、電磁気力、強い力、弱い力で構成されていることは言葉として知ってはいたものの、後ろ2つについては全くイメージができていなかったので、ここの説明が丁寧にされていたことがありがたかった。
特に素粒子論の章では、研究が現在も盛んに進んでいることを実感できて楽しかった。
スーパーカミオカンデってそういう装置だったのか…!とか。
初学者にもわかりやすいようテーマを抽象的にしたことで、ともすると観念的な語りになってしまいそうなところを、うまく最低限の計算式・公式を活用して0,無限大が存在しないことを論じていたのは見事だと思った。
Posted by ブクログ
宇宙や素粒子を扱いながらも、哲学的でポエトリーな書である。もしかすると、根源的な思索に対して物理学と哲学の目指す所が一致するからかも知れない。例えば、「オルバースのパラドックス」宇宙は無限に広く、無限の星があるならば、夜空はそれらの星で明るくなるはずだ。しかし実際には、そうではないというもの。夜空は暗い。物理における思考実験の範疇が哲学のそれと重なる。
大きさがゼロの素粒子は、この宇宙に存在しない。宇宙には、重力、電磁気力、強い力、弱い力が働いているが、これらはすべて遠隔力であり、接触力ではない。物体同士が厳密に接触している事は無いので、物体同士の距離がゼロになることもない。電子は一番エネルギーが低い状態になっても動いている。ゼロ点振動と呼ばれる現象である。この振動のエネルギーのために絶対零度にはなり得ない。つまり、「ゼロ」は思考実験上の産物であり、存在しない。
本書の中に核心をつくような、しかし詩的な文章がある。引用に著者自身が言葉を付け加えたものだ。
神は数学者である。
しかし、神はゼロと無限が嫌いである。
そして人間はゼロと無限が大好きである。
人間はゼロや無限にとらわれがちだ。今より更に多くを手に入れようとしたり、幸せな時間の永遠を期待したり。または、ウイルスの根絶、身綺麗な状態などではゼロを。ゼロか百かを求める。数の区切りとしての分かりやすさと序列化の習癖、不安定で半端な状態からの回避欲求があるからだろうか。
ランダム性こそがゲームであり、デジタル化が進めば人生は予測可能なゲーム性なき世界に突入する。思考実験の産物であるはずの「無限とゼロ」を再現するのは、仮想世界ゆえだ。チート可能な仮想世界で何を見るのだろうか。
Posted by ブクログ
難解であろうテーマを平易に説明していて、大変読みやすい。宇宙のような超マクロな世界から、量子論でしか扱えないような超ミクロな世界まで、'無限大'はあるのか?'ゼロ'は存在しているのか?を追求している。宇宙の創生から終焉まで、本書のテーマの視点から迫っていく。現在の宇宙では観測できる5%の元素の世界しかわからない。この中で、重力、電磁気力、強い力、弱い力と4つの力があるが、いずれも遠隔力であり、距離'ゼロ'にはならない、という説明は斬新であり説得力がある。プランクスケールという現在わかっている物理定数だけでは、'ゼロ'に近づけない限界があり、これは時間やサイズだけでなく、絶対零度(ケルビンで)にもあてはまる、という。当たり前のようにあるものと信じている'ゼロ'が、実は存在できないという。今まであるものと信じてきた固定観念を粉砕する説明には、興味を惹きつけられ、一気に読まさせられた。
Posted by ブクログ
「宇宙を動かしているものは何か」とか宇宙の本を過去に幾つか読んだが、そちらの方が面白かった。少しアカデミックなのでその趣旨が欲しい方は良いと思う。