【感想・ネタバレ】一寸先の闇 澤村伊智怪談掌編集のレビュー

あらすじ

たった数ページで、あなたの日常が蝕まれる……恐怖の深淵を覗く物語21編!
ホラー小説の旗手が贈る、戦慄の初ショート・ショート集

「得体が知れないからこそ怖く、面白い。」――野水伊織(声優)


◆「どパァん!……って感じやねん、飛び降り自殺の音って」
自宅マンションからの飛び降り件数が異常に多い理由とは?(「名所」)

◆とある町の小学生たちは、夏休みにも登校するという。「かみさま」を作るために。
僕にはそれがどういう意味を持つのかはわからないが、先生も、親も、その親もずっと続けてきたからだ――。(「かみさまとにんげん」)

◆愚鈍なバイト仲間の人生相談に乗ることになったバイトリーダーの私。
善意で引き受けただけだったが、雲行きはどんどん怪しい方向へ――その衝撃の結末とは?(「さきのばし」)

ほか

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

ヒトコワも、得体の知れないものが起こす怪異も、まんべんなく組み込まれておりバラエティに富んだホラーを体験できる。
澤村伊智の“すご~く嫌な人間”を創造する能力が凄まじく、特に「冷たい時間」の読後の落ち込みがすごい。
「冷たい時間」では妻と幼い子供に日常的に暴力をふるっている男性が出てくるのだが、調子を崩している妻の「代わりにごみを出しに行ってほしい」という精一杯のお願いに「家事はお前の担当だろ」と言い捨てるだけでなく、妻を殴って会社へ行く。その時点で既に憤りを感じるのに、その後の男の「大切な妻を殴ってしまった。帰りにケーキでも買っていこう」という見当違いのフォローには「ケーキを買いに行くんじゃなくて、ごみを出せ!!!!」と呻いてしまったし、男が会社の帰りに“コンビニ”でケーキを買っている姿に、私は完全にとどめを刺されてしまった。
澤村伊智の人間の描写は凄まじい。

0
2024年08月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

どの話もじわじわと怖くなってきた。短編だから、読みやすく満足感もあるから良い本だと思う。個人的に一番好きだった話は「保護者各位」という題名のものだった。他の物語と少し違って、実際に配られるプリントのように書かれているのが余計怖かった。

0
2025年08月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

1話目の1行目で、もうコワイ。
人が落ちた時の音が、どパァん!て‥。
実際に聞いた事あるんだろうか。
この話のコワイは、人だけど、この世ならざる者がコワイ話も、もちろんある。

ちょっと変わった感じで怖かったのは、「さきのばし」。わりと終盤近くまで、コメディか?という感じだったのが、急に不穏になって、ああ、さきのばしね‥となる。

このオチはどういう意味だろう?と、すっきりしない話もあり、読み終わった後は、なんかざらざらした気持ちになる。さすが、澤村伊智。

0
2024年10月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

初めて読む作家さん。他の読書アプリで話題になっていたので、興味を持っていた。ひとつひとつが短いので進みが早い。怪談、というより、都市伝説?みたいに感じた。昔、夢中になって読んだ「新耳袋」を思い出した。

「名所」 なるほど、こうきたか。人間が怖い、というオチだな。
「みぞ」 少し閉所恐怖症のところがあるので、とても怖い。人物入れ替わりについては不思議な感じしかしない。
「せんせいあのね」子どもが純粋っていうのは思い込みだと思う。
「君島くん」洒落怖で有名になった「コトリバコ」に関連した話で、昔は持ち回りで集落で回していたものがあった、という話がちょっと出てきたことがある。そんなことを思い出した。
「保護者各位」この本で一番食いついたのがこの話。間違い探しのように前回との違いを探した。「かにく」がなんなのかは分からないけれど、ブルーノ・マーズとコラボしている「APT」のリズムで「かーにく、かにく」と頭の中で回ってしまった。
「血」怖いというより、エロより。
「かみさまとにんげん」信じる人がいなくなれば神も死ぬのか、と考えてしまう。
「ねぼすけオットセイQ町店301号室のノート」 すべてに意味があるわけではないのだろうけれど、すべてに意味づけを考えてしまいがちなる。
「さきのばし」オチはなんとなく、途中から気づいたけれど、その前まではギャグなのか?と思ってしまった。矢島さんがいい人過ぎる。
「深夜長距離バス」ひょっとしたら実話かも、なんて思える話。
「内見」…いったい誰なんだろう。その意味も含めて怖い。
「満員電車」顔見知りじゃないけれど、顔を知っている関係。体験した人は多いと思う。でもこれは迷惑千万。
「空白」後のほうの話でもあるが、見栄を張る、という話がいくつかある。そして受け入れられないことを記憶から抹消する。哀しい。
「はしのした」えーっと、頭がこんがらがってきた。息子は本当の息子?
「青黒き死の仮面」新郎新婦だけが害されるのだったらいいけど、他の人にも影響与えすぎ。
「通夜の帰り」人には親切にしようと心から思いました。馬鹿にしちゃいけない。
「喫茶店の窓から」自分が見ているものに自信がなくなる、のはこういう時。
「無題」奥さんが無事だったのか、教えて欲しい…
「夢殺」これは、怖い。本人の立場になると、めちゃめちゃ怖い。
「冷たい時間」くみたんの境遇はなんとなく予測できたけれど、ヤノッチとタケル君は予想外。まさかの両方ともクズ。しおりんはどうして死んだ、と聞くが、死にたくなる気持ちは分かるように思う。それでも未練があるんだよなあ。しおりんの特殊能力?は身近な人に働くと辛かろうなあ。
「残された日記」人の不幸せばかり追いかけて嗤っても、自分が幸せになるわけじゃないよなあ。それに気づけないと不幸になる。

ひょっとしたら、分かってないオチがあるのかもしれないけれど、まずまず面白かった。

0
2025年11月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「名所」こういうテイスト好き
「保護者各位」これも好き。校長がお気の毒ですが・・・
「血」これはいまいちでした
「さきのばし」笑う話?と思ったらそんなはずなかったですね
「深夜長距離バス」後ろのお兄さんどうなっちゃったんでしょう
「満員電車」身近で起こりそうで怖い
「無題」「はしのした」もそうだけど何と入れ替わっちゃった?

0
2024年12月05日

「小説」ランキング