あらすじ
こんな素晴らしい友だちに囲まれていたい!ドラマ『ビターシュガー』の原作!
早朝に電話で起こされ、幼なじみの奈津の一人娘・美月を理由もわからぬまま預かることになってしまった市子。家に連れてこられた美月から、奈津の夫・憲吾が行方不明となり、奈津が憲吾を捜しに出かけたことを知らされる。 2日後、戻ってきた奈津は心当たりの場所をすべてまわったが憲吾を見つけられなかったと語る。憲吾の失踪には女性が関係しているとにらむ市子と奈津のまわりには続々と仲間が集まってきて……。「現代に生きる女性読者には心強い応援歌なのではないか」(解説・北上次郎)こんな友達に囲まれていたい。女性たちの友情を描いた名作小説。
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Posted by ブクログ
NHKのドラマ、「ビターシュガー」の原作者として大島真寿美さんを知りました。この本はその第一章。
口語体が中心のするりと読める文章。仕事合間の移動時間での読書にもかかわらず、一日で読めてしまった。「」(かっこ)で表さない会話が多いことも特徴かな。かっこをつけない会話って、ドラマや映画で風景画を映しながらバックで流れる会話のよう。
結論から言うと、わたしはこのお話が好きだった。それも、かなり。日本版SATCのようという表現はたしかにそうかもしれない。ただそこで繰り広げられる会話や動作にはきっとSATC以上に共感できるはず。なぜならそこには、日本ならではの謙遜や遠慮、社交辞令も、とてもたくさん出てくるから。そして、あんまり(キャリーたちと比べるなら”全然”)おしゃれじゃない主人公たちもすごくいい。
奈津の「疑うことってくたびれるのよ」という台詞には今の自分を照らし合わせたこともあって、すごく共感。でも最後に残るのは、美月という少女のはかなく、でも凛とした美しさ。最後まで、彼女の姿を脳内イメージでつくりあげることができなかった。ということで、間違いなく続きが気になる。日常ってきっとこんなにリアルでうらやましい。
Posted by ブクログ
突然失踪した夫を探しに出た幼馴染・奈津の娘を預かることになった主人公・市子。
奈津は数日後に戻ってくるが夫の行方はわからず。
二人の友人や仕事仲間やらがざわざわしながら日々を過ごす話。
さくさく読めて気軽いお話ではある。
ただ登場人物たちのキャラクタはリアルだけど、社会の中での姿が薄すぎる。
年齢も定かではないが、30代後半くらいか。
仕事はみんなフリーランスということで、仕事の面でも社会との繋がりがなく、
親兄弟も出てこないから友人たちと接している顔以外の表情が見えない。
ベースが友情話ではあるものの、もっと自分自身の問題にかまけるべき年代なのではないかなと。
リアリティが薄い。
元彼がバツイチの友達と付き合ってた~って、
物語のからくりとしては面白いけれども、
ピントがずれているような。
過去の著作では10代前半の子を主人公にすることが多かったからか。
その齟齬がしっくりこなかった。
NHKでドラマ化したようだけれど、確かにドラマの方が軽く楽しめる気がする。