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Posted by ブクログ
幕末オランダ人通訳を務めた森山栄之助。ペリーやハリスとの会談でも通訳を務めた彼の物語。
1巻の舞台は、オランダ商館長の「江戸参府」に随行する森山のお仕事日常譚。
ふわふわと異文化交流の日常を描いてゆくのか、と思って読み始めたら、仕事人としての気概や覚悟、異文化交流の心底を覗き込むような展開があって驚かされる。
ふわっとしていたのは、こちらでした。
己の職分を超えてまでする気遣い、優しさのつもりが迷惑になってしまうこと。
公務と私事の区別は明確にしておかないと、職責が果たせなくなってしまうこと。
様々な気づきを得て、森山の「江戸参府」は終了します。
異文化交流を経て、人と人とのつながりを深めたい、という森山の希望の芽は無くなることはなく、その思いがのちのペリーやハリスとの通訳の時に重要な要素につながってくるのかな、と思います。