あらすじ
鎖国の時代、通訳者は「通詞(つうじ)」と呼ばれた。
真面目で熱心なタイプの森山少年は、時々空回りしながらも
考え続けて伝える努力ができる、期待の通詞見習い。
彼はやがて成長し、後にペリーやハリスとの交渉の場に立ち会う
幕末外交の影の功労者となる!
幕末時代の最先端の仕事の中で笑い、泣き、
時々傷ついてもまた顔を上げ、職業人になっていく。
強くて優しい、幕末のお仕事ヒューマンドラマ!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
幕末オランダ人通訳を務めた森山栄之助。ペリーやハリスとの会談でも通訳を務めた彼の物語。
1巻の舞台は、オランダ商館長の「江戸参府」に随行する森山のお仕事日常譚。
ふわふわと異文化交流の日常を描いてゆくのか、と思って読み始めたら、仕事人としての気概や覚悟、異文化交流の心底を覗き込むような展開があって驚かされる。
ふわっとしていたのは、こちらでした。
己の職分を超えてまでする気遣い、優しさのつもりが迷惑になってしまうこと。
公務と私事の区別は明確にしておかないと、職責が果たせなくなってしまうこと。
様々な気づきを得て、森山の「江戸参府」は終了します。
異文化交流を経て、人と人とのつながりを深めたい、という森山の希望の芽は無くなることはなく、その思いがのちのペリーやハリスとの通訳の時に重要な要素につながってくるのかな、と思います。