あらすじ
日本人とは辺境人である――「日本人とは何ものか」という大きな問いに、著者は正面から答える。常にどこかに「世界の中心」を必要とする辺境の民、それが日本人なのだ、と。日露戦争から太平洋戦争までは、辺境人が自らの特性を忘れた特異な時期だった。丸山眞男、澤庵、武士道から水戸黄門、養老孟司、マンガまで、多様なテーマを自在に扱いつつ日本を論じる。読み出したら止らない、日本論の金字塔、ここに誕生。
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Posted by ブクログ
著者の本を初めて読んだ。
頭が良い人って、難しいことを雑談のごとくユーモアを交えて語ってしまうから凄い。
著者の雰囲気は、養老孟司に似ているなぁ。
そうそう、本書の冒頭でこの本には目新しいことは何も書いてない、偉い先人の方々がすでに書いたことをまとめただけです、って言っているのが面白い。
とは言え、内容は非常に勉強になるものだった。日本て、カメレオンみたいな国だなぁというのが感想。良く言えば柔軟性に長けている。悪く言えば、自分の軸がない。他国と比較することでしか自国を語れないという解釈は、なるほどと思った。
そもそも中国ありきで誕生した国、日本。今も他国が作った憲法の下、他国に言われて作った国歌を呑気に歌って暮らしている。私たちに愛国心が乏しいのは、この辺の事情が関係しているのかな。
そして、自分の思想や行動の一貫性よりも、場の親密性を優先させる国民性という指摘もごもっとも。空気に流されて太平洋戦争などという大事を始めてしまう国は日本くらいだろう。
けれど、著者はこうした日本の在り方がダメだと言っている訳ではない。こんな国の私たちだからこそ出来ることは何かを考えよう、というのが著者の考え。実際、日本はどこの国の植民地になることもなく、経済発展を遂げ、世界的に見れば平和で豊かな国になっている。処世術に長けているのだろう。
さて、日本が大好きなアメリカは政権交代となりそうだし、これから我が国はどう駒を進めていくのか…。
Posted by ブクログ
「日本人とは?」の大好きな日本人。人の目が気になる。常に自分より優れたものを外から探し出して、それに自分を合わせていく。思考停止も得意。そんな日本人だから良いことも、それがマイナスに働くこともある。色々、自分の考えと重なるところがありました。