あらすじ
ミツバチだって、ラットだって、カラスだって、みんな、あきらめることで、生き残っているんだ!
最新科学からあきらめる力の大切さを解き明かし、全米で注目の書が早くも邦訳で登場!
仕事、勉強、住まい、人間関係、結婚――。
これまで続けてきたことを続けるべきか、やめるべきか?科学的に正しい「やめどき」に「やめられた」人は誰よりも前向きに、人生を切り開ける。
生物は、種の保存のためにあえて積極的な退避行動をとるという。本書は経験豊富なジャーナリストが最新の神経科学や進化生物学の知見、著名アスリートなどの言説も踏まえて「やめること」の妥当性をわかりやすく説く。
生き物の生得的な行動特性を例に挙げながら、なにかを「やめた」人につきまとう「負け犬」「落伍者」「忍耐不足」「あきらめ」などのネガティブなイメージを根底から覆し、やめることの意味合いを塗り替えるような前向きな生き方を応援する提言があふれた一冊。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
新しい時代に相応しい良質なビジネス書。今まで正しいとされてきたものの見方の真逆から論じられる切り口はとても新鮮でもあり説得力もある。指摘していることはまさにその通りで、特に日本にも深く染み付いてしまっているポイントを鋭く言い当てていると思う。
Posted by ブクログ
「途中でやめる」「手放す」また「我慢して続ける」等々の行動に対して色々と思考を巡らせられる本です。
正直、あまり無い(実践できていない)思考だったので気付きは多かったです。
Posted by ブクログ
やめるという一見ネガティブな行為を前向きに論じられている本。確かにやめることは後ろ向きな行為ではなく、方向転換(ピボット)と考えれば、違う道を前向きに進んでいると捉えられる。ただし自分の考えではやはりやめるリスクは一定程度はあり、ある程度これまでやってきたことの連続性が保てるピボットが良いように思える。
少々やめることを美化しすぎで続けることの長所も論じてほしかった点は否めないが、全体を通して勇気と決断力を高めれくれる良書であった。
Posted by ブクログ
グリット(やり抜く力)が流行ったけれど、それとは対象的に「やめる」ことを選択肢の1つとして提案してくれる本になっている。
「やめる」というと、良くないことというイメージがあるけれど、決していつも続ける事ばかりが良いわけではない。
健康に良くないことは当然やめるべきだし、上手くいかない方法を続けていてもしかたない。
例えば、仕事であっても辞めて新たな道に進んで、成功する人もある。
「やめる」ことは決していつでも悪いことではない。
新しいことをするには、やめないといけないし、
すべてをやめなくても、やり方を変えてみるというやめ方もある。
エジソンは、やめる達人でもあったと紹介されていた。
彼は失敗すると、上手くいかない方法に拘らず、新しい方法を次々と試し、発明王と呼ばれる人となった。
この姿勢は今の日本に足りないものかもしれない。
一方で、何でもかんでもやめればいいやけでもなく、もちろん、続けることにも良さがある。
あくまでも、やめることも検討すべき選択肢として、常に持っておくことを勧めてくれる本だった。
Posted by ブクログ
本書の序盤と終盤はとても勉強になった。中盤は言葉遊びで言い方の問題なんじゃないかと言う感想を抱くことが多かった印象です。
序盤に書かれている"やめること"の文化的なステレオタイプや教育によってなされる倫理観により、辞めることを失敗とイコールで紐づける感慨については同意できた。だからこそ辞めることが大事だという主張もないように説得力があり面白いなぁと感じた。
だが、本書を読む進めていくと継続することもやめることも大事なことがわかってきた。
私の解釈では最終的には"科学的な思考"こそ最強だということなのだと理解した。
大枠の目標みたいなものは継続して良いものがあり、それは個人にとっての価値観や欲求のようなもので、手段の方は継続でなく辞めることも一つの選択肢として前に進むことが大事なのだと私は解釈した。
何にしても認知的柔軟性と合理性を持って感情を飼い慣らして受容し、自己認識を高めて、自分のしたいことに集中することが重要。
そしてそこに少しの倫理観を持って管理すると辞めることの使い方が上手くなるのだろうなぁと私は感じました。
何にせよやめる、保留する、停止するという選択肢も大事だなぁと改めて考えさせられました。
Posted by ブクログ
やめることは悪い事であるとの風潮に対し、やめることは最良の人生戦略になる事もある、価値のある選択肢の一つであることを複数の事例を使って説明した本。
自己啓発書に多い、忍耐、努力、継続する事で成功するとの考えに疑問を抱き、やめるという反対の視点から物事を見る事が出来たのは新鮮であった。
人間の出来る事(リソース)は限られており、新たなことをやるためにはまずは何かを辞めなければ行けない。引き算を先にする大切さも改めて認識できた。あと自分ではコントロール出来ないこことはさっさと諦めるのが大事な事も再認識できてよかった。
Posted by ブクログ
本書が「やめること」を一方的に美化はしていないことに感銘を受けました。我々は、諦めることを無意識のうちにダメなことだと刷り込まれています。「やめる」という戦略があるかないかで人生の深みが変わってくるのだと思いました。ただ、繰り返しになりますが、やめたら全て上手くいくというのは幻想であるということは肝に銘じておきたいです。
Posted by ブクログ
「転がる石に苔はつかない」って、
石が転がってると苔のついた立派な庭石になれないから、辛くても一つところで辛抱するんだよ、
≒「石の上にも三年」、という意味だと思っていたら、
常に動いていれば苔みたいな変なしがらみがつかないから、流動性をよくして常に動け、
的な解釈があると聞いて驚いたのはだいぶ前。
後の方の解釈で考える人や、分かる気がする人は増えてきてるんだろうけど、日本はまだまだ転職には好意的な目を向ける人が少ない印象。私世代だけ?
死ぬほど辛い思いをするくらいなら逃げろって思うけど、渦中では判断が鈍るんだろうな。
個人的には親業を一時ホールド出来る制度や世間の目が増えてくれるといいと思う。片時も目を離すななんて不可能だし、手抜きが許されないって思ってしまったら、そりゃ、そもそも子供を持つのはやめようと思う若い人が増えるのは当たり前だと思う。
ダーウィンの「種の起源」誕生のエピソードはちょっと面白かった。もう少し詳しく知りたい。
Posted by ブクログ
偉人のエピソードが多い。
抽象的なので、自分でどのように対処すればいいか考えないと、読んだ意義が見出せないかもしれない。
ただ、個人的には一箇所ほど刺さる部分があった。
『やめたからと言って、それを続けてはいけない意味ではない。みんなやめることを「オールオアナッシング」と捉えがち。重要なのは、その「あきらめ方」』
なので、それだけでも読んだ価値はあった。
Posted by ブクログ
「やめる」ことのポジティブな側面にフォーカスした本。動物や昆虫が「やめる」ことで生き残ってきた話や、スポーツ選手が意識的に「やめる」ことで自身の選手生命を守った話など、身近な話題から「やめる」ことの効能を教えてくれる。著者を含む多くの一般人へのインタビューに基づいた「やめてよかったこと」のストーリーが豊富で、むしろ割合的にはエピソード集といっても良いかもしれない。表紙にあるように最新科学の研究結果も載ってはいるものの、どれもまだ可能性段階の研究が多かった。脳の構造は複雑なため仕方のないところではあるが、結局、科学的な「やめどき」がイマイチよく分からなかったので、より詳細なエビデンスが欲しかったところ。だが、「やめること」を「方向転換」と言い換える話は、前向きな言い換えでいいなと思った。科学的に正しい「やめどき」を知りたい人には不向きだが、「今何かをやめようか悩んでいる人」には、本書に載っている人たちのエピソードが勇気を与えてくれるかもしれない。
Posted by ブクログ
「GRIT(やり抜く力)」が世間的にも評価される中で、なかなか評価されない「QUIT(やめる力)」。「やめること」の大切さを事例を交えて説明してくれる。動物や虫など、自然界は無駄を嫌うそう。効率的ではないものはやめる。説得力はあったが、「無駄」や「非効率」、「GRIT」を否定しきれない私…。
Posted by ブクログ
「石の上にも3年」と言われるように、「あきらめずに最後まで頑張る」ことが美徳とされがちな社会において、あえて「やめる」ことの意義や重要性を主張する一冊。
動物は元来、合理的に「あきらめる」ことで臨機応変に外部環境に対応しする能力を備えているが、人間社会では一般的に「我慢して続けること」が奨励され、「やめること」は悪や恥と見做される。著者は、これは近代の権力者が貧富の格差を個人の努力に起因するものとして正当化するために意図的に作られた価値観であり、スマイルズの「自助論」といった自己啓発書が、その浸透に一役買っていると批判する。
「やめる」とはサボることではなく、社会的しがらみや不確実な未来への恐怖などの障壁を乗り越えて”今”を手放し、新たなことに挑戦する積極的な行為であり、結局のところ「やめるorやめない」という二元論を超えて、自らの進むべき道を能動的に決める力を身につけるべし、という主張に目新しさはないものの、社会学や脳科学といった幅広い観点から「やめる」ことの意義を問い直す分析には興味深いものがある。
Posted by ブクログ
"やめる決断"と"始める決断"
優先事項は何か「常に問う力」「見極める」判断力が大事だと思った。
やり抜く力、忍耐力も大事。
ただ、目的に沿わない、努力は限りある人生の中で勿体無い時間であると気付かされた。
Posted by ブクログ
仕事を辞めようか否か悩んでいる人は多いのではないでしょうか。
生存のみを重視する動物や鳥、虫たちとの比較から、人間がいかに『やめること』にネガティブな印象をもっているかピューリッツァ賞を取った著者が諭します。『やめること』は新たな人生の選択肢であり、希望でもある。でも満ち足りた夢の人生が用意されている訳ではない。
会社やコミュニティから離脱することの恐怖の存在についても漏らさず触れてくれています。
頑張ること、努力することが賛美され過ぎている世の中に警鐘を鳴らしてくれる著書です。
この本を読んで今がやめ時だと決意することは難しいかもしれませんが、紹介されている実在のやめた人達の物語からは希望を感じます。