あらすじ
ある説によると、我々の周囲には五百人に一人の割合で、未だ発見されていない殺人犯がいるという。あなたの隣人や友だちは大丈夫ですか? あの晩、私は変な男を見た。黒い帽子をかぶり黒眼鏡をかけ、黒い外套を着たその男は、片脚が義足で、歩くたびにコトコトと無気味な音をたてる。男は何故か、ある夫婦をつけ狙っていた。彼の挙動が気になった私は、その夫婦の家を見はった。だが数日後、夫の方が何者かに惨殺されてしまった! 表題作ほか三篇を収録した横溝正史傑作短篇集。
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
殺人鬼
金田一耕助が、この話の主人公を助けたと思ったら…
終わりに金田一の手記を添えていること、オチが文学的。
黒蘭姫
咄嗟とはいえ殺してしまったこと、「デスペレート」になり過ぎ!
香水心中
なぜ香水を使ったか?だけはわかった!
百日紅の下にて
長閑な中で語られる辛い過去…
悲しい結末、と思ったけど、でも優しさと温もりのある終わり方だった。
Posted by ブクログ
星二つをつけたくないので3にしたがおそらく読み返すことはないダウナー系短編集。面白くない、というわけではない。
殺人鬼:探偵小説家が主人公なので作家本人想定のほのぼの作かと思ったら意外な展開に。接点のない遺族の名誉を守る自己犠牲、としたらいい人すぎないか。
黒蘭姫:タイトルが結構好き!短期間に終わった京橋裏の三角ビル五階事務所時代の話というのが希少性。犯人は事件が起こると同時にピンとくるレベル。でも切ないし多少気持ちもわかるような。
香水心中:軽井沢行きながら先方落石で渋滞のじりじり感にふさわしい展開。見た目と実の性格が対照的な兄弟等面白い要素なのに対し、犯人や真相はこれじゃないほうがよかったのでは。
百日紅の下にて:復員直後、亡き戦友からの伝言を伝える(この後獄門島に向かう)のでおそらく作品時系列では一番若い金田一耕助。あまり好きになれない設定の話ではあるが、非常時の大困難に埋もれてこういう悲劇も多かったのかもしれない。終戦直後の百日紅、それだけで、まだ暑いのに日が短くなる季節感、物語にふさわしい空虚な抒情を伝える。