【感想・ネタバレ】高瀬舟(乙女の本棚)のレビュー

あらすじ

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人気シリーズ「乙女の本棚」第31弾は、文豪・森鷗外×イラストレーター・げみのコラボレーション!
小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。

次第に更けて行く朧夜に、沈黙の人二人を載せた高瀬舟は、黒い水の面をすべって行った。

罪人を乗せる高瀬舟の上。弟を殺した喜助の護送を命じられた庄兵衛は、その不思議な様子に興味を持ち、彼に話しかけた。

森鷗外の名作が、書籍の装画やCDジャケットなどで活躍し、本シリーズでは、室生犀星『詩集『抒情小曲集』より』、小川未明『月夜とめがね』、芥川龍之介『蜜柑』、梶井基次郎『檸檬』を担当するなど幅広い世代から支持を得ているイラストレーター・げみによって描かれる。
名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。
自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「愛菜の本棚」を読んで気になっていた森鴎外の高瀬舟。読みやすそうなこちらを読ませて頂きました。
安楽死や貧富の差にいろいろと考えさせられる物語でした。

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2023年09月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読書会@茶房武蔵野文庫(2025/11/16)、2回目の参加。

前回『蜘蛛の糸』と同様、元国語教師のファシリテーターの元、様々な経歴のメンバーとそれぞれ感想を述べ合う。
今回も実に楽しい読書会だった。

本作を高校の教科書で読んだという人もいたが、私の高校時代の教科書は同じ鴎外の作品だが『舞姫』だった。『舞姫』LOVEが過ぎる先生が、教科書での学習を終えたあとも延々と森鴎外、舞姫について語っていたのを覚えている。一学期を全て『舞姫』解説に要したのではなかったか?(笑)

森鴎外作品の思い出はその程度しかなく、本作『高瀬舟』はお初。端正な文章、無駄なく進む短編だが、文字遣いの古さ、固さは時代故にやむなし。

今の解像度で読むと、喜助、庄兵衛という限られた登場人物が、二項対立でもないが、自然体 vs 世間体とでもいおうか、なににも囚われない自由な身と、世のシガラミに絡めとられた身分の、両者の価値観がぶつかる面白い設えということがよく分かる。
さらにそれは時代を超えた普遍性を孕むものという全体感の解説には唸らされた。

使う語彙によって、そこにだけ作者の思い、存在が顔を出すなど、なかなか技巧的でもあったりする。そこに込められた思いをも読み取ることで、さらに作品に深みが出た。

討論会ではないのだが、もう少し喜助は黒か白か? をみなで議論しても面白かったかなと思うが、この作品はそこが主眼ではないので、しょうがない(笑)

因みに、自分は、最初、喜助は黒ではないかと疑って読んだが、これは京都、関西を舞台にしたお話。標準語で喋っている文体となっているが、喜助に関西弁で喋らせれば、白だということが、より明らかになる気がした。

これは、関西人にしか分からないニュアンスかもしれないけど(笑)

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2025年11月18日

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