あらすじ
なぜ英国は児童文学王国なのか? アリス、ナルニア国、パディントン、そしてハリー・ポッターまで、名作誕生の背景に迫る。
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Posted by ブクログ
英国ファンタジーの源流を探る。
C.S.ルイス、トールキン、アトリー、ノートン、ピアス……あげていけば英国のファンタジー児童文学にはキリがない。英国にはそのような児童文学を産む特徴があった。論文集だが親しんできた物語について書かれたものなので、物語を思い出しながら読める。とはいえ、ノートン『借り暮らしの小人たち』シリーズも、ボストン『グリーン・ノウ』シリーズも、ライヴリー『時の縫い目』も未読だが。もっとも面白く読んだのは自分の愛読書であるダール『マティルダ』についての章だった。
伝統的な文化への憧れや回帰と、同時代文化の否定、特に伝統的なイングランド的なものを衰退させる流れへの危機感。危機の時代、悲観的な時代にこそ優れたファンタジーが生まれるという点で、大戦後に痛みを伴う変革を迎え、大英帝国の終焉と長い英国病を患ったイギリスがファンタジーの王国となったのは必然だったのだろう。しかし、それらを生み出した自然や異文化が在る土地それぞれ固有文化というのにも大きな意味があった。日本にもその地の歴史や習俗に根を張ったファンタジーという面が探せるのでは(特に奈良や京都、信州とかも?)と思いながら読んだ。
Posted by ブクログ
自分の好きな話の解説があっておもしろかった。また知らない本もあったので、いろいろ読んでみたいと思う。
ちょっと専門的なので内容が難しいところもあった。