あらすじ
完全復活した月子ちゃんの誕生日パーティーが始まる。順風満帆なようにも見える横寺だったが、密かに迫りくるのは黒い闇。大人気爽やか系変態ラブコメ第8弾! 『横寺陽人』の本質がついに明らかになる――?
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Posted by ブクログ
キャラの深掘りをいくつかの巻で行われてきましたが、今回は今までの最も作中に出ていたものの、深掘りされていないキャラにスポットライトが当たりました。
まだまだ謎は続くけど、良い形で深掘りされていっているかなといった印象。
Posted by ブクログ
各章サブタイトルがことごとく有名な辞世の句で、しかも四章までは全て自殺前。神曲の地獄篇の引用もあり異様にダークネスな展開を想定するも、最後は結局ハッピーエンド(次巻へのネタフリを除く)。袋小路に陥った主人公が積み上げて行った黒くて陰鬱なものが、張り詰めていた糸がプツンと切れるように瓦解してカタルシスって展開までは完璧だと感じたのだけど、そこから先がご都合主義でちょっと拍子抜け。自己と他者の幸福の天秤の問題について、前巻では非常に大きく扱われたエゴの問題と正反対側、ベンサムの功利主義に基づいた最大多数の最大幸福の中での自己の欠落がメインテーマ。出来ればそれをもう少しシビアに突き詰めて欲しかったけどやっぱりそれはラノベの域を出るのかもしれないのかもなとか。
鋼鉄さん可愛すぎるどうしようって感じだ。最後の不穏な咳は今後の物語の不穏な展開を象徴するものであって決して鋼鉄さんがつかささんと同じ病気にだとかそう言う話ではないと信じたい気持ちしかない。
Posted by ブクログ
MF文庫おなじみの話があんまり進まない迷走ライトノベル
多くの読者は初期同様の娯楽としてのそれしか望んでいないが
同じことを繰り返すのにためらい覚える作者だとそれに応えられない
何十巻十年一日に続く週刊少年マンガも異形だが
読者の卒業していく周期にどうしたって追いつけないライトノベルもまた大変である
Posted by ブクログ
誰かのヒーローであることを願い、「最大多数の最大幸福」を目指して自分を見失っていく横寺陽人の巻。自分のことを後回しにして、誰も彼もを助けようとして、大好きだった陸上を忘れかけて。自分より立派な自分に自分を譲ってこれで良いと思って。やりきれない気持ちになった。そんな横寺に気付き、思いを伝えてくれた子がいる。そのままの君でいいんだよ、そのままの君がいいんだよと言ってくれる子がいる。なにもしなくていい、なにもかもを救おうとしなくていい、ありのままの君が好きなんだと(そこまで言ってないか)これは前巻までの筒隠月子へのアンチテーゼなのだろうか。無理に変わろうとしなくていい。嫉妬していじわるしてちょっぴり子どもっぽいところもあって無表情だけど感情豊かな君がいいんだ。小豆梓と張り合って大人になろうとしなくていいんだ。そんな君が好きなんだから。
小豆梓が押し出してくる目一杯の大好きと信頼は嬉しいものだけれど、全肯定というのは危ういのでは、と思った。道を外れそうになった時、地獄まで一緒についてきてくれるよりも、目を覚まさせてくれる子の方がきっと尊い。
横寺陽人の家庭環境と子どもの頃が気になる。なぜ一軒家に高校生が一人で済んでいるのか?なぜ両親は電話越しにしか登場しないのか?ほとんど愛情を注いでもらったことがないのでは?横寺陽人を構成する要素が気になる。今まで筒隠家の事情は何度も出てきたけれど、彼が地の文で自らの家庭環境と比べたことは一度もなかったような。
彼女の母親を思い出させるようなラストシーン。鋼鉄さんはいつまでも年上なのだ、という言葉が彼女が年上であることを思い出させて良かった。月子大好きラブリー月子なシスコンで勉強が苦手な面が目立っているが、母亡きあとの筒隠家を長女として守ってきたのは彼女なのだ。このラストシーンから実は嘘でしたみたいな展開にはなって欲しくないが、どう転んでも一筋縄ではいかない気がする。次巻も読む。
Posted by ブクログ
人は変わるよ、変わるよ人はー
どこか文学的というか哲学的なんだよなぁ。そして明らかになる横寺陽人の本質。やはり王子は王子だったということでいいのかな。
月子と小豆梓が結んだ協定も気になるけど、鋼鉄さんは『横寺弟』の正体に気づいているのかいないのか。
前巻同様不吉な暗示で終わってるので重い展開になりそうだけどどうなることやら。