あらすじ
“なんでも屋”の日々を綴る静謐な時代小説
江戸時代の総務部総務課とも言える藩邸差配役・里村が、藩邸内の厄介事から政争に至るまで、あらゆる問題を見事に解決する『藩邸差配役日日控』シリーズ2作目です。
里村五郎兵衛は神宮寺藩の江戸藩邸内の揉め事の差配役。“なんでも屋”と揶揄されるほど、揉め事や雑事が大小問わず持ち込まれますが、「誰もやらぬ…いや、できぬお役」を果たすために次女・澪の隠された出自や神宮寺藩の派閥争いを心にしまい、日々の務めに精を出します。
『星月夜』でも、家老の無骨な懐刀と御用絵師の関わりや、澪が小太刀の稽古をつけている奥女中が抱える思いなど、悩みや騒動が巻き起こります。そして、家族が巻き込まれた収賄事件の真相が明らかに…。
人が暮らす中で生まれる思いに誠実に向き合う、五郎兵衛の差配が垣間見える全6編の連作短編集です。
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藩邸差配役里村五郎兵衛シリーズの第2弾。
日常の細かな問題に対応する差配役という仕事は大変そうだ。といっても大事件など滅多になく、些細なできごとの連続であるが。
戦の無い時代の武士というものの生きざまは、静謐であっても、規則や慣例に縛られた日々で退屈そうだ。
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1作目を読み、思わず購入してしまった2冊目。
江戸の藩邸で起こる大小様々なトラブルに対応する差配役。娘2人それぞれの先行きを案じながら、実直に日々を過ごしているのが良いです。
明らかになった死んだ娘婿の死の真相を、抱えていかなくてはならないのが不憫ですね。
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主人公の差配役が、地味にスーパーマンだと思いました。
人間味があり、どっしりと構えていていい具合に鷹揚な魅力的に描かれていて、読んでいて心地よい一冊でした。
このシリーズまだまだ書いて欲しいです。
追いかけていきます。
そしていい作家さんね。
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藩邸差配役シリーズ大好き。一見派手ではないけどこういうのがいいんです…。
読み始めて前作の設定が頭から抜けていたので読み直してからこちらへ。前作のあの衝撃の真相をすっかり忘れていて同じところで驚くという…自分の鳥頭ぶりにもびっくり。
大工さんが言っていたとおり、五郎兵衛さんとの仕事は何も起こらないというのがほんとそれそれ!と思った。さりげない気の配りようが心地よい。いささか酔いが回った五郎兵衛さんをみんなでおうちに送り届けるエピソードに愛され具合が感じられてほほえましい。剣のたつ梔子姫の話が特に好き。
続きが気になるので、オール讀物で追っかけます!
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悩み多き里村五郎衛が、藩の差配役として様々な問題を穏やかに治めていく。
若君の失恋からの心の手当、家中の問題に対応する総務的な活動、家老腹心の浪岡の妻への心遣い、清濁併せ呑むような過去の不正への落とし所など。
気遣いの里村五郎衛が苦慮する神山藩シリーズは、派手さは無いが様々な人間の心情に寄り添った物語に惹かれていく。
落ち着いた良い小説と思う。
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「藩邸差配役日日控」の続編。
第1話 藩主和泉守正親が江戸参勤を終えて、地元に帰って行った。五郎兵衛は娘の七緒と亡き夫の形見を整理することにした。筆や硯などの筆記具とともに、日記が入っていた。
絵師の菅沼は最近自分が見張られているような気がするといっている。五郎兵衛が見張っていると、浪岡が菅沼を見張っていた。浪岡は菅沼に病身の妻の絵を描いてほしいと思っている。
第2話 江戸藩邸では御殿の修復工事が行われていて、源蔵という親方が工事を差配している。源蔵親方の顔色が悪いと聞いて五郎兵衛は様子を見に行ったが、本人に大丈夫だと言われてしまうと、どうにもしようがない。
第3話 端午の節句のお人形を飾った。後々のことも考えて、今年は迫水にやらせてみたが、人形の刀が落ちるというハプニングがあったものの速やかに修理に出し、滞りなく準備ができた。奥女中の玉と次女の澪が小太刀で立ち会っていた時に、玉がふらついたところをついてしまい、玉が倒れた。
第4話 安西が父のことで懸念があるという。今年になってから家を空けることが多くなり、たまに泊まってまでくるらしい。様子を見に行ってみると、彦坂もどこかから耳に入れたようで鉢合わせした。しかし安西の父はいない。女か博打だろうということになったが、士道不覚悟として切腹となっては目覚めが悪い。
第5話 浪岡の妻が亡くなったらしい。わざわざ挨拶に来てくれた。登美岡で呑んでいると、外で喧嘩の声が聞こえて見にいく。声をかけたら男が逃げて行った。前任者が不正でとばされた御納戸頭の窪田は、しきりと不正をしていないアピールをしてくるので疲れてしまう。
第6話 御納戸頭の汚職事件で兄のせいでお解き放ちになってしまった遠山俊次郎が、挙動不審で周囲を心配させている。そんなこともあり、事件を見返してみると、娘の七緒の亡き夫がどのように事件を見ていたかがわかるのであった。
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砂原氏本来の面白さの片鱗が垣間見えたので、少し甘めの評価5。冒頭2編のプロットの弱さは否めないが、徐々に良くなり、後半3編はなかなかの出来。特に最終の表題作「星月夜」は確実に面白い。前作「藩邸差配役日日控」からの連話なので、順番に読むことをオススメする。
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前作から久しぶりの藩邸差配役日日控。前作の内容をすっかり忘れかけていて、本作を読み進めていくうちに思い出してきたという体たらく。
現代で言えば40代で中小企業の総務部総務課の中堅管理職=「何でも屋」が描かれていて、なんだかニヤッと笑えてしまうところもあってよかった。
最初の二篇はテンポがあまりよくないようだったが、あとの三篇は筆者お得意のぐいぐい引き込むような展開で一気読みでした。
あいかわらず作品の中に鳥の囀りや綺麗な花、そして美味しそうな料理が出てくるのでホッとします。
文庫も出たので前作を再読するつもり。
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藩邸差配役日日控の続編。
藩の差配役の五郎兵衛の日々を静かに描くこのシリーズ、やっぱり良いなぁ。
御用大工の親方が言っていたという
「神宮寺さまのお仕事では、いつもなにも起こらない」
「なにも起こらないのは、起こらぬようにしているお人がいるからだ」
なんて、差配役の仕事をうまく表していて胸に響く。
今作でもまた、不穏な出来事があり五郎兵衛はまた心を乱しながらも実直に向き合っている。
娘たちの今後を含めて、続きが楽しみ。
今回も鳥たちが嬉しい
鶯の囀り、頬白の啼き声、雲雀の囀り、
松の梢に黄鶲、郭公の囀り、
耳をかすめそうなほど低いところを燕が一羽、通りすぎていった。
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時代小説が好きだ。
ひさびさに 自分好みの時代小説に出会う。
藩邸差配役 里村五郎兵衛が 周りで起こる出来事、事件、家族の事柄を 人情味ある性格で 解決していく。里村五郎兵衛のスパッと切れる真剣ではなく 木刀のような味のある父であり、上司の描き方が ほんわかとして良い。次女の澪のこれからの来し方も 気になる。
今作 シリーズ2作目。まだまだ続きそう。
次作も 楽しめそう。
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差配役だが、全然問題を解決しない。謎を解いた!とか諭して導いた!みたいな役割をしない。季節の移ろいの中で、自然にことが進んでいく。暴かれなかったことを無理に騒ぎ立てたりもしない。あるがままというか。
でも読んでいて不快に思うことなく、逆に癒されてたりするのはなんでだろうと思う。
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ささくれだった心を癒してくれる砂原作品。今作も色彩、音色、味覚、皮膚感覚、五感フルに生かして四季の移り変わり感じながら、不条理な武士の世界のぞき見る。日々の営みが愛おしく、心がほわっと温められる。「若い芽の香りがあたりいちめんに満ちている。胸の奥まで濃いいのちの気配が滲みこんでくるようだった」まさに今。
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「藩邸差配役日日控」シリーズ第2弾。
神宮寺藩江戸藩邸の差配役・里村五郎兵衛が、持ち込まれる様々な厄介ごとを整えていく姿を描く6つの短篇。
差配役とは総務部総務課のようなお勤め。他所がやらないことを全て引き受けるいわば何でも屋。
決して切れ者という風情ではないが、穏やかで、思慮深く、つい面倒を引き受けてしまう人柄は頼りになる上司って感じ。
妻を早くに亡くし男手ひとつで娘二人を育てた五郎兵衛は娘の行く末にも心配の種が尽きない。
強面の上司の顔色を伺い、やる気のない部下を温かく見守り、気難しい同僚といつのまにか心を通わせる勤め人としての姿や、気の合う道場仲間との飲み会の様子などどのシーンも微笑ましい。
新たに判明した収賄事件の真相と、それに打ちのめされた五郎兵衛の姿が痛々しくて胸が痛む。そしていつのまにか仲良くなった浪岡と出した結論に心が震えて泣きそうになった。
七緒には夫の死を乗り越えて、次作では是非、進藤とご縁がありますように。
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架空藩の江戸屋敷で起こる細々とした事柄を担う「差配役」の責任者、現代でいえば部長あたりの40代武士が主人公の藩邸差配役日日控シリーズの第二弾。第一弾はそれなりに大きな次元というか謀が裏で動いていたが、第二弾は新たなエピソードも加わりつつ、その後日談として、より日常の細々した事柄、事件ともいえないような事件を取り扱った6編の連作短編となっている。それでは地味にすぎないかと思うが、そうならないところが砂原節の真骨頂だ。心が穏やかなままちょっとどきりとしたり、ハラハラしたり、もちろん最後にはそうきたか!とおでこをペチンとしたくなる仕掛けも仕込まれている。NHKのBSとかで映像化してくれないかしら。
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【収録作品】
「波と波」
「揺れる槌」
「梔子日和」
「碌々亭日乗」
「小心者」
「星月夜」
『藩邸差配役日日控』シリーズ2作目。
地味だけれどもうまいなあ。静かな筆致で描かれる、誠実な仕事ぶり。
そして、融通の利かない石頭かと思われた波岡の人間性が表れているのもよい。最後に五郎兵衛を説得する言葉がまたいい。
装画も静謐で素敵。
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神宮寺藩の江戸藩邸差配役の日々連作短編集。絵師が見張られてる、引退した親が朝から出かけてる、収賄事件など。
義理と人情の交差点。前作と同様とても良かった。人の心の機微を絶妙に描く。
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藩邸差配役シリーズ第二弾の短編集。今回は、藩内権力争い等でなく、主人公五郎兵衛の娘二人を巡る出来事等を中心に、父としての五郎兵衛の思い等が丹念に描かれている。
今後も、著者の代表的な作品群になるものと思われる。
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良いですね。藩邸差配役日日控シリーズ第二作。
舞台は神宮寺藩江戸藩邸。陰では“なんでも屋”と揶揄される差配役の里村五郎兵衛が主人公です。
前作から続く、五郎兵衛の二女の出生の秘密やお納戸方で起きた収賄事件を背景にしつつ、主人公の身辺で起きる些細な事件の顛末を綴った六つの連作短編です。
前作の感想に「どこか茫洋とした味わいの若手・安西はもう少し活躍させたかった」と書きましたが、本作でも相変わらずの茫洋ぶり。一方で、どこか剣呑だった江戸家老の懐刀・波岡喜四郎が意外な一面を出してきました。今後の展開が楽しみです。
五郎兵衛は今も道場通いを続けていますが、作中で「四十も半ばとなって、とうとう真剣での斬り合いかと……」と吐露するように、派手な剣劇があるわけではありません。第2話で大工の源蔵親方が「なにも起こらないのは、起こらぬようにしているお人がいるから」と五郎兵衛の心遣いに感じ入るように、登場人物たちの日常を丁寧に描き出した、しっとりとした情感と静謐感の漂う時代小説です。
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里村五郎兵衛の宮仕え日誌、その2。
武士の堅苦しさや、武士ならではの意地や気遣い、そんな中で五郎兵衛の人情が滲み出て、物語の他の人物たち、五郎兵衛の娘たち(七緒、澪)、亀千代君、ちょっと今時な下役の安西主税、五郎兵衛と新しい関係を結ぶ浪岡喜四郎など、読み進むうち、だんだん魅力を感じてくる。
「卒爾ながら(失礼ながら)」や「ご免候え」などの細かい言葉遣いなんかも、世界観として、グッとくるんですよ。
そして今回も、大きな謎が一つ、潜んでいる。
エピソードでは、安西の父、惣兵衛のちょっとした秘密や、梔子(くちなし)姫の思い、亀千代の心遣い、浪岡と五郎兵衛の関係など、それぞれの心の裡が、行間から伺えて感慨深い。
まだ続くと思われるので、楽しみ。青山文平さんの時代劇と共に、武士を描いたものとして、好きな小説になった。
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この作者の時代小説を読み続けていますが、今回は神宮司藩という中規模の老舗企業の部長クラスのサラリーマン日記だと思いました
時代小説は心を癒す薬とか何とか言った人(北上次郎だったかなあ)がいたような気がするけど、年寄りは会社帰りに読むとゆったりした気持ちになれます