【感想・ネタバレ】魚ビジネス 食べるのが好きな人から専門家まで楽しく読める本のレビュー

あらすじ

オバマ元大統領も、レディー・ガガも、デビッド・ベッカムも…
海外セレブが日本の魚に魅了されている!
おさかなコーディネータが教える、ビジネスパーソンが知っておきたい「魚の教養」

食として魚の魅力をわかりやすく解説し、日本テレビ系ドラマ「ファーストペンギン!」の漁業監修も手がけた著者による、世界に誇るべき日本の魚文化について紹介します。

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Posted by ブクログ

魚という身近な食品をテーマに川上から川下まで満遍なく触れられており、教養が高まった。
特に印象に残っているのは以下2点。
①寿司は産地で食べるよりも都市部で食べた方が良い(熟成が旨み成分を引き出し、熟成による臭みをシャリが除いてくれるため)
②細胞培養の存在
天然と養殖しか認識しておらず、とくに養殖では昨今ゲノム編集など新たなテクノロジーによる生産を耳にしたが、培養は初耳。投資コストが莫大にかかる点はネックであるものの、タンパク質クライシスと呼ばれるほど魚不足に直面している現代においてはキーメソッドとなる可能性も感じた。

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2023年12月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

めちゃくちゃ面白い。
科学✕経済✕環境✕文化、様々な視点が絡み合って特殊な経済様式を生み出してる。

①鮮度=ATP
 魚の鮮度を一言で言うならATP量。動物が死後硬直するのは酸素供給の中止によってATP生成が停止し、ミオシンの伸縮が固定化される。ATPが残存している間は収縮状態で硬直するが、ATPが完全枯渇すると次にプロテアーゼによるタンパク質の分解が始まる。これを緩解と言う。鮮度の高い切り身は硬直しているために角が立つが時間が立つとヘタる。これが鮮度が落ちるという現象。

②鮮度が高い≠美味しい
 鮮度の高い魚は産地でこそ食べられる。しかしながら、鮮度が高い=美味しいとは限らない。具体例としてブリは関西では歯ごたえを求められるため獲りたてが喜ばれる。他方で、時間が立つと分解されてアミノ酸が生成される。緩解によってアミノ酸にまで分解される事を熟成と呼ぶ。歯応えと熟成は反比例するため食材のベストは食べ方や好みで変わる。
また、魚の青臭さは腐敗によるトリメチルアミンが原因である。アルカリ性のトリメチルアミンを中和するのが酢の存在。酢締めや酢飯が相性良いのはトリメチルアミンの中和が目的。そして、この酢飯の塩梅は鮮度の高い産地では差が付きにくく、内地ほどネタや酢飯の技術に差が出る。

③ふるさと納税の恩恵
 実はふるさと納税には通常販路に乗らない珍しい魚が出回る。ふるさと納税によって販路や決済方法について急速に自治体の水準が上昇した。これに伴って、元々産地周囲でしか取引していなかった漁場や漁師が自治体に販売委託することでふるさと納税の販路で取引可能になった。珍しい魚が豊洲などの市場を経由せずふるさと納税にのみ出ている魚もある。

その他、遺伝子組み換えとゲノム編集の違い、漁法による価値の違い、ノルウェーと日本の漁業の違いなどあらゆる観点から日本の魚ビジネスの特徴や苦難、工夫を記述した良書。

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2023年11月05日

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魚全般に対して様々な知識が書かれており、勉強になった。特に天然魚、養殖魚、培養魚の今後の役割については興味深い。培養魚は食べたことないので抵抗があるが!今後増えていくのだろうか?

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2023年07月23日

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魚食べるのが好きだから読んでみた。
魚関連の知識面白くてわかりやすかった。
ついでにドラマ「ファーストペンギン」もみた!

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2023年05月06日

Posted by ブクログ

獲るところから食べるところまで、魚の流通の上流から下流にかけて、それらに関係する商売の成り立ちや文化、課題について書かれている。門外漢の私には知らなかったことが多く、新鮮だった。幅広い知識がある著者だからこそ書ける本だと思う。表紙のデザインが良くて目を引いた。ただかつて読んだどの本よりも誤字脱字スペル間違いが多い…。

海産物は安定供給、鮮度維持が難しい。それを克服するという考え方と、その性質を受け止めるという考え方とがあると感じた。

日本の周りには豊かな漁場があって、日本には昔から魚を食べる習慣がある。そこで自分たちが食べる分を獲って、すぐに食べたり保存できるようにしたりしてきた。それが食文化を作ってきた。

ビジネスとしても、それで漁師も加工屋さんも魚屋さんも食堂も成り立ってきていた。1億人くらいの日本人が食べるだけの国内需要だけなら、そのバランスが保てていた。

季節が変われば初物をありがたがる。獲れる魚種が変わればそれなりにやってきた。気候が変わって獲れないときには獲れないなりにやってきていたように思う。

誤解を恐れずに言えば、日本の10倍もの人口を抱える中国が、それまで食べる習慣のなかった種類の魚まで資本に任せて節操なく獲ったとすれば、バランスが崩れないわけがないと思う。

日本の食文化を守るためには(日本での消費のされ方も変わってしまっているけれど)、著者の言っている大量少品種と少量多品種という考え方が重要だと思う。嗜好に合うものだけを大量に食べるなら養殖や培養肉を食べるべき。その技術は飢餓救済にも役立つだろう。

個人的には魚ビジネスは内需産業でいいと思っている。少なくとも鮮魚は。安定供給が難しいんだし、鮮度維持が難しいんだから。みんな自分の国の周りで獲れるもの、自分の国の中で養殖できるものを食べればいいじゃん、と思う。そのための技術を輸出するのはありだと思う。資源の方までグローバルビジネスにする必要あるのかな?供給の不安定さとか鮮度維持が大変なことが強く影響して育まれた食文化を、同じ魚が獲れないところに無理矢理輸出する必要があるのかな?

「世界のセレブに日本に魚を食べに来続けてもらうためにどうして行くべきか」という書き方をされているのもちょっと違和感を感じる。それくらい魅力を発信し続けられるようにするために、ということの一つの表現だとは思うけれど。日本人は日本人として、自分たちのためにやり続けて、それが文化となって、その文化をクールとかカッコイイと思う外国人には「日本に来たときには体験させてあげるよ」くらいでいい。外国人のために何かを変える必要はない。

処理水問題で止められていた中国への海産物の輸出が先日再開された。関係する方々はホッとしたと思うけれど、私個人としては「「汚染水」とか失礼な事言うヤツには売らねぇ」と、デンと毅然とした態度でい続けてほしかった。ホタテ値上がりし過ぎだし。

季節季節の天の恵みに感謝していただくという精神は、日本人として持ち続けたいものだと思う。

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2025年07月12日

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料理、漁、販売などの魚のビジネスに関するあらゆる知識を広く浅く、著者の経験に基づいて書いてある。

刺身は漁場の方が美味いが、寿司は都市部の方が美味いことがあるという話が面白かった。
ビジネス書というよりは手記に近いかもしれない。初心者向けに優しく書かれているので、気負わず読める。

この本を読んだあとは寿司か鯖缶が食べたくなることだろう。
私は翌日に鯖缶を食べました。

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2025年02月18日

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肉と比較して、魚は人の生産から販売までより人の力が重要であると感じました。あらためて勉強になりましたな一冊。

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2024年11月28日

Posted by ブクログ

こんなにも優しく書いてくださる本はありませんでした。普段馴染みのある魚がどれほど変化しているのか、読んでいくほど「なぜ?」が止まらない本です。
私は仕事に役立てようと思って読んだのですが、日常生活でも使えることが書いてあります。飲み屋での選び方、観光地での得する食べ方など、知ってるとちょっと自慢できます。

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2024年04月02日

Posted by ブクログ

魚ビジネス、というより魚に係る教養本。
仕事で使うため、正月休みを利用して読んでみたが、なかなかに分かりやすい。魚一つとっても奥深い。

今後、日本企業が当該分野でどうやって展開すれば世界に勝てるのか、作者の見解を聞いてみたい。

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2024年01月20日

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ビジネスの話を通じて、魚の魅力や特徴、扱われ方など様々な角度の情報を得られた。日常での例えなどの表現も多く、内容も分かりやすかった。

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2023年07月08日

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内容はとても簡潔だが、実践的な知識が詰まっている。
例えば
・各地域、市場ではどの魚を食べるべきか
・美味しい寿司屋、定食屋の見分け方
・有名魚屋と、なぜそこが有名なのか

この知識に至る背景情報として、漁の仕方から流通方法、養殖ビジネスなどが説明されており、上の実践的知識と繋がってわかりやすく説明されている

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2025年11月20日

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漁業のこと、鮮度のこと、魚文化の違い、ようしょくや培養肉の事など網羅的に書かれてあって、全く知らない!みたいなことは少ないけれど、頭を整理するのには、良い一冊。
鮮度を数値化するK値、東日本はやや熟成、西日本はバキバキのピチピチを好むことなど、へぇ~と思う事もあり、ためになった。あまり難しくは書かれておらず、サラリと読める本。

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2025年04月27日

Posted by ブクログ

最近お寿司にハマっているので読んでみました。
薄く広く魚についての知識や現状が書かれているので、そこまで新しい発見はないが、軽く読めた。

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2025年01月28日

Posted by ブクログ

魚ビジネスに関わる事を9章に分けて、説明している本書。
9章と多くの章に分けている事から、各章の具体的なところまで話は出来ていないが、魚を知るための取っ掛かりとしては幅広く話を展開している為、良いかなと感じた。
自分自身は水産業界で働いてることもあり、目から鱗な情報はなかったが、改めて業界を振り返るには良かった。

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2024年07月21日

Posted by ブクログ

魚の流通の仕組みが様々な目線でかかれている。天然と養殖の違いから締め方の違いまで知らないことがたくさんあり目から鱗だった。魚を取り巻く経済的問題や環境問題にも言及しているのでそこに興味がある人も楽しめる気がする。どちらにしても魚好きは必読と思われる。3.7

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2023年09月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ


魚ビジネスの基礎や寿司、基本的な魚の知識を知ることができる本。

以下備忘録
・世界の食用水産物は1.57億トンへと年々増加。世界で魚人気が加速している。
・海外からは、日本で本場の寿司を食べたいと言った目的で来日する人も増加。魚を知っていることは日本のアイデンティティになる。
・寿司は各国でアレンジをされているため、本来の寿司は日本に来なければ食べられない。
・寿司の歴史、なれずし(鮒寿司)。ご飯と一緒に発酵→発酵から酢を使う、酢飯に変化→稲荷寿司、ちらし寿司、箱寿司(関西)→握り寿司(関東)、おにぎりぐらいの大きさのファーストフード(コハダが人気)屋台→冷蔵技術が発展し、生のネタが増え、シャリも小型化。
・鮮度の良さを楽しむ魚種は、さしみで
・寿司は流通先で美味しく食べるための料理。
・寿司で美味しいウニ=ミョウバンをうまく効かせたもの
・大間のマグロは、エサ+海流+一本釣り+冷凍物流のため、価値が高い。
・高級寿司はその日の最高のものを提供。
・回転寿しの市場規模7400億
・漁師→漁協でセリ(買参権が必要)→仲買→魚屋、スーパー、飲食店(中抜きは反感を食らう)
・各地で漁協のルールが違う。(とり方、船の大きさ、魚種が違うため統一できない)
・魚の数が変動する理由。海洋環境の変化、漁獲による影響。人の手による環境変化。
・漁業法改正
①インプットコントロール。(投入量規制)漁業権を設けて、漁船の数や大きさを制限。魚を獲る機会を管理。
②テクニカルコントロール(技術的規制)
網目の大きさや禁止区域設定など、漁獲の効率性を管理。
③アウトプットコントロール(産出量規制)
とってもいい量を計算して定める。今回このコントロールへ以降。

ノルウェーなどは魚種が少ないから機能しているが、日本は魚種が多い+小規模漁船も多いので機能するかは不明。

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2023年08月15日

Posted by ブクログ

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魚はローカルだがグローバルな食材であり商材。持続可能な魚ビジネスに向けた現状把握と課題認識。

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2023年08月06日

Posted by ブクログ

魚ビジネスをするための参考に購読したつもりだったけど、内容としては魚ビジネスの基礎知識という感じの内容でした。基礎知識の確認のためには役に立つと思います。培養魚肉、細胞水産業の話は知らないよく世界だったので一番勉強になりました。

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2023年06月05日

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