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Posted by ブクログ
獲るところから食べるところまで、魚の流通の上流から下流にかけて、それらに関係する商売の成り立ちや文化、課題について書かれている。門外漢の私には知らなかったことが多く、新鮮だった。幅広い知識がある著者だからこそ書ける本だと思う。表紙のデザインが良くて目を引いた。ただかつて読んだどの本よりも誤字脱字スペル間違いが多い…。
海産物は安定供給、鮮度維持が難しい。それを克服するという考え方と、その性質を受け止めるという考え方とがあると感じた。
日本の周りには豊かな漁場があって、日本には昔から魚を食べる習慣がある。そこで自分たちが食べる分を獲って、すぐに食べたり保存できるようにしたりしてきた。それが食文化を作ってきた。
ビジネスとしても、それで漁師も加工屋さんも魚屋さんも食堂も成り立ってきていた。1億人くらいの日本人が食べるだけの国内需要だけなら、そのバランスが保てていた。
季節が変われば初物をありがたがる。獲れる魚種が変わればそれなりにやってきた。気候が変わって獲れないときには獲れないなりにやってきていたように思う。
誤解を恐れずに言えば、日本の10倍もの人口を抱える中国が、それまで食べる習慣のなかった種類の魚まで資本に任せて節操なく獲ったとすれば、バランスが崩れないわけがないと思う。
日本の食文化を守るためには(日本での消費のされ方も変わってしまっているけれど)、著者の言っている大量少品種と少量多品種という考え方が重要だと思う。嗜好に合うものだけを大量に食べるなら養殖や培養肉を食べるべき。その技術は飢餓救済にも役立つだろう。
個人的には魚ビジネスは内需産業でいいと思っている。少なくとも鮮魚は。安定供給が難しいんだし、鮮度維持が難しいんだから。みんな自分の国の周りで獲れるもの、自分の国の中で養殖できるものを食べればいいじゃん、と思う。そのための技術を輸出するのはありだと思う。資源の方までグローバルビジネスにする必要あるのかな?供給の不安定さとか鮮度維持が大変なことが強く影響して育まれた食文化を、同じ魚が獲れないところに無理矢理輸出する必要があるのかな?
「世界のセレブに日本に魚を食べに来続けてもらうためにどうして行くべきか」という書き方をされているのもちょっと違和感を感じる。それくらい魅力を発信し続けられるようにするために、ということの一つの表現だとは思うけれど。日本人は日本人として、自分たちのためにやり続けて、それが文化となって、その文化をクールとかカッコイイと思う外国人には「日本に来たときには体験させてあげるよ」くらいでいい。外国人のために何かを変える必要はない。
処理水問題で止められていた中国への海産物の輸出が先日再開された。関係する方々はホッとしたと思うけれど、私個人としては「「汚染水」とか失礼な事言うヤツには売らねぇ」と、デンと毅然とした態度でい続けてほしかった。ホタテ値上がりし過ぎだし。
季節季節の天の恵みに感謝していただくという精神は、日本人として持ち続けたいものだと思う。
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