【感想・ネタバレ】小説家の四季 1988-2002のレビュー

あらすじ

「同じ時刻に目覚め,小説書きに精を出し,眠る.書いては眠り,起きては書き,書いては眠る.そういう日付も曜日も定かではない毎日をとうぶんの間くり返すことになる」.机の向こうで過ぎゆく季節を,飄々と慈しみ,ユーモアとペーソス溢れる筆致で綴る.小説の名手による「ライフワーク的エッセイ」,第1期を収録!

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

小説家の日常を、年に4回春夏秋冬のタイミングで綴ったエッセー集。インターネットの黎明期に関する話題が興味深かった。
それなりに作品を世に送り出している作家時代のエッセーなので、必死さはあまりなくマイペースで作品を生み出している様子を知ることができる。
言葉を大切にしている職業人らしい逸話や、小説のプロットが生まれる場面も知ることできる。
佐藤さんの小説は、残念ながら読んだことがない。本書と共に手にした作品『月の満ち欠け』を早速読みたい。

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2023年02月26日

Posted by ブクログ

佐藤正午さんの「月の満ち欠け」が好きで、あのような素敵な小説を生み出せる作家さんの頭の中に興味を持ち、読んだ。
つくづく作家というのは、クリエイティビティと締切プレッシャーとのせめぎ合いの中で仕事をされているのだと感じた。
クリエイティビティは時間をかければ良いものではない。閃く時は閃くし、閃かない時は閃かない。でも、時間は均一に過ぎて行き、然るべき時に締切は来る。
だからこそ、日常生活の中でのちょっとしたら気付きや出来事に敏感に反応し、小説のネタの肥やしにする。ただ、そのように収集されたネタも、物語の中核になるものばかりでは決してなく、登場人物像を肉付けするための、ほんの数行程度の描写に消えていく。小説というのは、なんて、膨大な情報と思考に支えられた緻密な構造物なのだろうと感じた。

エッセイそのものは、何気ない日常がありのままに綴られており、佐藤正午さんの人となりが手に取るようにわかっておもしろい。
内容は星4つとしたかったが、2冊ぶっ続けで読んでいたら少し最後の方は飽きてしまったので、星3つ。

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2023年01月22日

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