あらすじ
アナーキーな神々と英雄たちが繰り広げる、〈世界の始まり〉の物語。
前代未聞のおもしろさ!!日本神話が画期的な口語訳で生まれ変わる!町田康の新たな代表作。
「汝(われ)、行って、玉取ってきたれや」「ほな、行ってきますわ」
イザナキとイザナミによる「国生み」と黄泉国行、日の神アマテラスの「天の岩屋」ひきこもりと追放された乱暴者スサノオのヤマタノオロチ退治、何度も殺されては甦ったオオクニヌシの国作り、父に疎まれた英雄ヤマトタケルの冒険と死、帝位をめぐる争い、女たちの決断、滅びゆく者たち――。
奔放なる愛と野望、裏切りと謀略にみちた日本最古のドラマが、破天荒な超絶文体で現代に降臨する!
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Posted by ブクログ
めっちゃおもろいやんけ!
関西以南の口語で繰り広げられる日本の神々から天皇のあれやこれ。考えたら地域的にはそこから起こったのであるし、むしろ正しいのかしら。
面白さの為には、無駄と思われる繰り返しも厭わない振り切り方。
古事記の内容をきちんと学んだことは無いのに断片的に聞き覚えのある話ばかりでおどろく。自分、知らないうちに結構知っとるやないか。絶対に笑かしにかかるので退屈しないで聞き終えられた。終盤の方は馴染みがないものが多くて集中力を欠いたかもしれない。
Posted by ブクログ
全体的にはやや冗長に感じる部分もあるが、その分とても読みやすく、古事記を初めて通して読むにはちょうどいい一冊だと思う。おそらく読み返すことはないが、いずれもう少し硬派な別の訳で、時間を置いて再読してみたいという気持ちは残った。
特に印象に残ったほは、冒頭のイザナミとイザナギの神話、次にスサノオのエピソード、そして大国主神からヤマトタケルによる日本統一の流れである。神話というより、もはや英雄譚や王朝の年代記に近い感覚で読めた。
古事記を読むメリットの一つは、地名や言葉の由来、さらには後世の文化作品の元ネタが分かることだと思う。
たとえば、
・神が東へ遠征する途中、現在の福島あたりで仲間と出会い「会ったぞ」と言ったことから「会津」になった
・ヤマトタケルが、自分の身代わりとなって死んだ妻を思い、山の上から彼女が亡くなった方角(東)を見て「吾が妻」と嘆いたことから、「東(あずま)」と呼ばれるようになった
・日本中を駆け巡ったヤマトタケルが三重に戻った頃には足がボロボロで、三重に腫れ上がっていたことから「三重」になった
など、真偽はさておき「なるほど」「そう来たか」と素直に感心してしまう話が多い。
また個人的に一番「へぇ」と思ったのは、天皇の寿命が永遠でなくなった理由だ。ある神から結婚相手として姉妹を差し出されたものの、片方の容姿が優れなかったため送り返したところ、怒りを買い、その結果として寿命が有限になった、というエピソードである。神話らしい理不尽さと人間臭さが同時にあって、妙に印象に残った。
全体として、軽く読めて、日本文化の深いところをつまみ食いできる一冊だった。