あらすじ
あなたは誰のメガネで世界を見ているのか。
ネットニュースでは「日本は世界に愛され尊敬され続ける最高の国」という気分のいい記事から、「少子高齢化が進み、競争力低下が止まらない日本はもう終わり」という、読めば不安が押し寄せるものまでさまざまだ。
円安が進めば「円安が日本を滅ぼす」という絶望的な記事が並ぶ一方で、「円安はチャンスになる」という記事もまれに登場する。
一体どれが本当なのか。あるいは、どれも本当ではないのか。
情報を処理するとき、人間の脳は論理的に正しいものより、わかりやすいものや都合のいいものを選んでしまう傾向がある。その結果、特定の人物や物事に対する偏見や間違った思い込み、ときには差別的な感情を強くしてしまうことがある。
そんな思考の偏りや思い込み=「バイアス」は世界に溢れていて、自分の脳で思考する限り、誰もが「自分バイアス」から逃れることができない。つまり、誰の意見であっても、どこからの情報であっても、何らかのバイアスがかかっていることを知った上で、物事と向き合うことが重要なのだ。
誰かのメガネをかけさせられたまま、つまり、誰かの思考バイアスに覆われたまま不自由な人生を送ることを避けて穏やかに生き延びる戦略を、脳科学の知見から語る。
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Posted by ブクログ
「受け身を学べば、失敗は怖くない」
この本から1番大切だと思った一節です。バイアスの含まれた言葉は、パンチ力があり、自分への攻撃力が高く、そして信憑性に欠け、時には人権侵害に近しいことを含む可能性がある。自分ができるバイアスの対処法はワンクッション挟むことではないだろうか。攻撃力が高いのならば、メガネを変え、言葉への見方を変える。信憑性に欠けるなら正確なのか調べ潰す。人権侵害に近いしことならば、反面教師にして、次世代に正しいことを伝える。
自分の脳みそは自分が思っているよりも性能が良くない。便利な現代だ。使えることは使い、自分にとってまっすぐ誠実に生きたい。