【感想・ネタバレ】点と線のレビュー

あらすじ

ビートたけし主演のドラマ原作。九州の海岸で発見された男女の死体。汚職事件渦中の役人と愛人の心中……そう誰もが思ったが、疑念を抱いたベテラン刑事が独自に捜査をはじめる。しかしたどり着いた容疑者には疑う余地のないアリバイがいくつもあった。同時刻に北海道にいたという鉄壁のアリバイ――東京駅で1日に1度しかない、たった4分間の空白――時刻表トリックを用いた元祖とも言われる作品で、空前の推理小説ブームをまきおこした傑作。松本清張の代表作であり、ミステリ名作中の名作!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

松本清張先生が推理小説界に社会派という旋風を巻き起こした名作。 当然ながら清張先生の時代にはスマートフォンどころか携帯電話すらない時代。電報でやりとりしているシーンは時代を感じる。 そして、この作品は「アリバイ破り」というジャンルに属する。あらすじさえ読んでいれば犯人は安田辰郎だとすぐわかる。鳥飼刑事と三原警部補が懸命に安田のアリバイを崩そうとする作品。 ポイントは、東京駅の十三番ホームから十五番ホームを見渡せるのは1日に4分しかない事実。この事実に着目した清張先生もすごい発見だ。 もう一度読んでみたい。

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2025年03月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

続きが気になりすぎて一気に読んでしまった。動機が生々しくリアリティがあるなと感じた。「作為は、つねに本人が自身の利益のためにするのだ」という一文がなぜかとても印象に残っている。トリックよりも何故その事件が引き起こされてしまったのか、という理由が納得できないと嫌なので、一個人の感情のみならず社会集団の中での人々が描かれているからこそ動機に納得ができるのかなと考えた。ラストの妙な後味の悪さもリアリティがあってとても好きだなと思う。

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2024年06月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

さすが、往年の名作といったところか。

現代では、電車に限らず、さまざまな交通手段や連絡手段が発展しているため、本作品をそのまま当てはめて考えることは難しいが、
犯人とおぼしき人物が張り巡らしたアリバイ工作を一つずつ解き明かそうとするストーリー展開は
読み手を飽きさせない見事なものだったと思う。

トリックの良し悪しより娯楽性重視のストーリーが松本清張の偉大さだ

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2025年11月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

海岸で見つかった男女の遺体。どうやら青酸カリをあおった心中らしい。二人の身元は、男のほうは省庁に勤める佐山で、女のほうは料亭の女中お時だと判明。福岡県警の鳥飼刑事は、二人で乗った鉄道の食堂車に佐山しか行かなかったことを不審に思う。女性はたとえ空腹でなかったとしても、連れが食堂車に行くなら自分もついていくのではないか、と考えたのだ。さらに、福岡に着いてからも二人がともに行動していなかったという事実から、実は女のほうは途中どこかの駅で下車して、後から福岡にやってきたのではと推理する。
鳥飼の推理に興味を抱いた警視庁捜査二課の三原刑事は、心中した二人が東京を経つところを目撃した証言が、あまりにもできすぎているということに気が付く。目撃を証言した安田という男が死んだ佐山の省庁とかかわりのある男だったことも、疑惑を強める一因だった。だが、当の安田は二人が福岡で服毒自殺をしたとき北海道に出張していたという鉄壁のアリバイがあった。そこで三原は鉄道の時刻表を駆使して、福岡で二人を殺害した後北海道へと行く方法を模索する。
この方法はどうだ?→ダメ→ならばこれはどうだ?→ダメ…といった具合に、そう簡単には真相に辿り着けない。それでも諦めずに海の便、空の便と食らいつき、ついにその執念が結実する。
東と西、タイプの違う二人の刑事の書簡がよかった。

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2025年05月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

初めて松本清張作品を読んだ。古い本だからと敬遠していたが、非常に読みやすかった。
犯行自体のトリックを暴くというよりは、アリバイ崩しをしていく話。犯人が犯人であるという確証無しに、違和感だけをもとに捜査とアリバイ崩しを進めていくことに少し違和感があったが……。
不可解な点が表れては解き明かされる、という展開がテンポよく続くので、するすると読み進めることができた。

解説にもある通り、わずかに疑義や穴が残るが、それはそれで想像の余地があって面白い。

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2025年02月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

犯人の目星は最初から付いているものの、九州から北海道までを縦横無尽に飛び回ってアリバイを少しずつ崩していくのは、面白かった。三原警部補の推理の域を出ないが、安田夫妻の顛末には女性の怨みの恐ろしさを感じた。

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2025年02月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

とにかく文章が綺麗。
倒叙ミステリで、一つ一つの障害を丁寧に取り払っていく過程が素晴らしい。
また古典推理小説でもあり、特に電報を使ったトリックは新鮮さと興味を惹かれる。
時刻表トリックは私の苦手とするものだったが、なんの苦労もなく読むことができた。
内容がキャラクターよりもミステリに重点を置いて書かれているのも良かった。
純粋な推理小説だったと思う。

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2024年10月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

前半から中盤にかけての緻密な物語の積み重ね、重厚な筆致、これぞ長編ミステリの歴史的傑作!と叫びたくなるような威厳に溢れている。『空白の4分』という発想の美しさ。そして本作が旅行雑誌『旅』に掲載されたというよく出来た構図。当時の読者が夢中になる気持ちがよく分かる。

が……。
「飛行機あるやーーーん」って何?
いくら当時旅客機は一般的では無いと言っても、天下の捜査機関が飛行機の存在を失念するなんてうっかりが、物語の根幹に関わってくるそのちゃぶ台返しっぷりには唖然とするしかない。

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2024年09月22日

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