あらすじ
平凡な永い人生を歩き、終点に近い駅路に到着した時、耐え忍んだ人生からこの辺で解放してもらいたいと願い、停年後の人生を愛人と過ごそうとして失踪した男の悲しい終末を描く「駅路」。邪馬台国の謎を追究する郷土史家を描きながら、“邪馬台国論争”に関する著者の独創的見解を織り込んだ力作「陸行水行」。他に「ある小官僚の抹殺」「万葉翡翠」など全10編を収めた傑作短編集。
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Posted by ブクログ
2025/55
大好きな松本清張の短編集。
今回もお気に入りのお話がたくさんあった。
「白い闇」
前に読んだけど、改めて読んでも好き。これが一話に収録されてて嬉しい。十和田湖いつか行ってみたい。
「捜査圏外の条件」
妹を見殺しにされた主人公の執念。読み応えのあるお話ですごく良かった。
「ある小官僚の抹殺」
他とは違うテイストのお話で、私はあまりハマらなかった。
「巻頭句の女」
俳句詠みの女性の最期が切ない。
「駅路」
人は満たされていても、終わりを求める生き物なのかな。無常感漂うお話で好みでした。
「誤差」
死亡推定時刻。終わり方が好み。
「万葉翡翠」
学者が最後は欲に負けてしまうお話。残念だ。
「薄化粧の男」
ナルシスト!奥さんと浮気相手で協力したのに、結局悪いことをしても一生怯えなきゃいけなってことなのかな〜。
「偶数」
食器でバレるとは!にしても自分勝手な犯人。
「陸行水行」
地味にめちゃくちゃ好きな作品だった。或る小倉日記伝っぽい内容。なにも果たせず死んでしまう、というの逆にロマンを感じちゃうんだ。