あらすじ
高校生限定のSNSアプリ「オルタネート」が必須の現代。料理コンテストでの失敗に悩む調理部部長の蓉(いるる)は、再びの挑戦を決断。高校を辞め居場所を探す尚志(なおし)は、音楽家らのシェアハウスに潜り込む。オルタネートを信奉する凪津(なづ)は、アプリが導く運命の相手を探す。そして文化祭の初日、三人それぞれに起こる奇跡――。10代の過酷さと煌めきを鮮やかに切り取る、青春小説の新たなマスターピース。(解説・重松清)
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Posted by ブクログ
3人を主人公に据えた本作。しかし、それは読者1人に凝縮されているように思える。
SNSより現実に向き合う人
SNSで現実から背く人
SNSと共に夢へ駆ける人
皆、私の葛藤する心のどこかにいて、それぞれが心の中の私に叫び、訴え、呼び起こす。それがどうしようもないくらいに若く、瑞々しい叫びなんだ。
全ては繋がり、未来への糧となる。きっとこの葛藤する複雑な心模様も、いつしか晴れに変わると追い風を吹かす物語。
Posted by ブクログ
久しぶりの加藤シゲアキ。
たしか、かなり売れた本だった記憶。
内容は高校生限定のSNS「オルタネート」を交えながら恋や部活、将来などの青春特有の悩みを持つ様々な男女を描いた物語。
まあ、総合的なSNS風の立ち位置を醸し出しているが現実でいうところのマッチングアプリなので、いずれ現実世界でもリリースされてもおかしくないなと思う。
一つ気になるのは、割と初めましての段階の男女がホイホイ告白して付き合うみたいなところに非現実を感じて、「ああ、作者のおじさんが必死に若者の恋を考えたんだろな」って感じがして力が抜ける。
Posted by ブクログ
同じ高校生だからこそ共感できるところが多々あり、勢いよく読み進められて物語も楽しめた。
登場人物たちの成長が凄く感じられてここから得られた価値観もいくつかあった。
その中でも「私は私を育てる」という言葉は響いた。
ここからは自分に当てはめての解釈になる。環境も重要ではあり自分だけの力ではどうしようも出来ないという場合もあるかもしれないが、そこだけに文句ばかり言っていても結局なにも変わることは無い。成長を求めるにせよ状況を打破するにせよ一番大事なのは自分自身が変わる事だと思う。小さなことでも行動に移していきそれを続けることは周りにも影響を与えると思う。
変わっていこうと考えさせられた作品でした。