あらすじ
現代人が「源氏物語」を読むときのハードルとなるのは、ひとつは言葉の違い(古文の読解)、そしてもうひとつは倫理観や社会規範の違いです。本書は、社会の在り方に長く向き合ってきた作家・山崎ナオコーラさんが、深く愛する古典「源氏物語」について、現代人ならではの読み方を考えます。より現代的な訳を目指した「ナオコーラ訳」も読みどころのひとつ。
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Posted by ブクログ
古文を読む機会が無さ過ぎて、かなり懐かしい気持ちになった。
主語に実名を使わないのは、貴族は正体も襖などで隠すように名前も隠すことが通例だった、みたいな話しとか新鮮だった。
あと、紫式部の書き手からの一言が文章の途中で挟まる(だれかが書いている、という設定らしい)のも独自で面白い。
現代から見れば、マザコンだしルッキズムだけど・・・という批評性のある文章にとどまらず、源氏物語の面白さや魅力について触れてて好きなのが伝わって良かった。
Posted by ブクログ
面白かった!
源氏物語とか光源氏とか紫式部とか
今まで幾度となく耳にしてきた名前だけど
ぜんっぜん興味なかったんだなーって痛感してしまった。
こんなにも面白い話なのに
学校の授業では難しすぎて、全く好きになれなかったもんなあ。
この物語が、どの程度事実を反映しているかはわからない。
だけど、女性に対する目の向け方や、接し方があまりにもひどくて
憤慨しそうでした。
兎にも角にも、全体的に
その人物を愛しているというよりも
誰かに似てる、誰かの血縁だから愛するっていう方向性で
なんだか、これを純愛と言っていいのか?な話が多かった。
男性陣は好きに恋をして、相手の気持ちなんてほとんど考えずにアプローチする。
時には、無理矢理したり騙して性行為をすることもしばしば。
なんだが、女性があまりにも軽視されていて
悲しい話でした。
他の源氏物語も読んでみたい。
もっと深く知りたい。
登場してくるヒロインの中では末摘花がすきでした。
見た目に自身がない末摘花でも、芯を持って光源氏を愛し続けていてかっこいい。
外見ってどんどん廃れていってしまうけど
性格の良さや、気丈さ、人柄、自分を持っている輝き、愛の深さって
もしかしたら歳を増すごとに増ていくのかも。
だから、歳を取ればとるほど魅力的になる女性って
本当に素敵だなあ。って感じた。