あらすじ
人気歴史学者が定説・新説を覆す
●誰が「頼朝の助命」を嘆願したのか
●「実朝の首」はどこに消えた?
●『吾妻鏡』が書かない「粛清劇」
なぜかくも陰惨な闘争が続いたのか
『吾妻鏡』に頼朝が亡くなる前後の記事がないのは有名ですね。
ぼくは今まで、まあそんなこともあるよね、とあまり真面目に考えていませんでした。
ところが広常誅殺の前後も記事がない。これは偶然で済ませられるのでしょうか。(本文より)
東京大学史料編纂所教授の新解釈
〈目次〉
はじめに
第1章 鎌倉時代の武士の謎
◎源氏の一族・平賀氏とは
◎頼朝から重用され一門の筆頭に
◎大内氏が「七カ国守護」の訳
◎頼朝から愛された「暴れん坊」
◎合戦の「兵数」を吟味する
◎「実朝の首」はどこに消えた?
◎実朝が見た「母・北条政子」像
第2章 鎌倉幕府を分析してみた
◎「文書のかたち」は変えられない
◎整合性のとれた説をつくるために
◎大内・平賀の拠点を奪った伊賀氏
◎梶原景時‖石田三成?
◎なぜ景時が弾劾を受けることになったのか
◎人物の「特質」に焦点
◎「武士政権」3パターン
◎『吾妻鏡』が書かない「粛清劇」
◎頼朝は朝廷に近づきすぎた
第3章 人物像を掘り下げる
◎「武士の鑑」畠山重忠が悪役に?
◎文武両道の武人だった梶原景時
◎名将・韓信と義経の違い
◎義経の勝利は幸運だっただけ?
◎大将は自ら突撃しないはず
◎戦争にも「禁じ手」はある
◎頼朝が最も信頼した一族
◎なぜ安達盛長は北条に鞍替えしたのか
第4章 古文書抜きに日本史は語れない
◎歴史研究者に向くタイプ
◎文書の出し方にも身分あり
◎中世文書は「形式」が重要
◎古文書は応用がきく
◎受取人のヒントは二重敬語にあり
◎貴族がキレる「超越」
◎異例の手紙が示す朝幕関係
第5章 「実証」と「推測」
◎書き間違えこそ本物の証?
◎鎌倉幕府の草創担った文官
◎下文の数奇な運命
◎あなたたちの「実証」とはつまらないものなんだな
◎ガンプラ転売に思う「倫理」
◎部下を「下げつつ上げた」頼朝
第6章 歴史研究者を悩ませる「自作自演」
◎後醍醐天皇が部下になりきった?
◎文書一枚が発想の転換の端緒に
◎歴史研究者を悩ませる天皇直筆の「自作自演」
◎忘却の大学者・平泉澄の「大発見」
◎権力者の私宅=役所?
◎一筋縄ではいかない事情
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
鎌倉時代を中心に、歴史の真実を追求する歴史学者が、
古文書を読み解く重要性と検証の必要性、そして苦労を語る。
・はじめに
第1章 鎌倉時代の武士の謎
第2章 鎌倉幕府を分析してみた
第3章 人物像を掘り下げる
第4章 古文書抜きに日本史は語れない
第5章 「実証」と「推測」
第6章 歴史学者を悩ませる「自作自演」
古文書抜きには日本史は語れない。
平賀氏、和田義盛、実朝の首、伊賀氏、義経VS景時など、
古文書の読み解きと考察によっての語りが楽しい。
特に「男衾三郎絵詞」の考察が面白かった。
また、中世文書の形式での基本と応用は、まるで
ミステリーの謎解きのよう。
まさかの後醍醐天皇の、部下に成りきって書いた自作自演の
文書の検証なんて、なんかワクワクしてしまった。
歴史学者の苦労だけでなく、史料編纂所についても
書かれていたのは嬉しかったです。図版掲載の許可申請、
こんなに大変だったとはね。でも、今回の図版と解説は
大いに楽しめましたよ。金剛三昧院、行ってみたくなったし。