【感想・ネタバレ】赤泥棒のレビュー

あらすじ

町田康さん推し!

言葉に幅があり、しかもそれが的確に使用されている。辛辣な個性とその周囲を無情に描いていてよい。
(文藝賞選評より)

現役慶応大学院生であり、漫画『踊るリスポーン』の著者・三ヶ嶋犬太朗が鮮烈の文芸デビュー!

「捨てられたものを拾うのは泥棒ではない」と嘯き、女装をして女子トイレに侵入し、捨てられた生理用ナプキンを盗む百枝菊人。女装がバレたら心の性別をたてに被害者ぶろうと思っていたところ、同じ学校の明石睦美に目撃される。彼女は百枝が自分と同じく、性別に違和感を抱いていると思い急速に接近してきた。無理解と偏見がマイノリティを利用し、共感と愛情が暴力を肯定する……。表題作「赤泥棒」に加え、文藝賞最終候補に選ばれた「青辛く笑えよ」、「普通」を唾棄する高校生が才能の塊と出会い自我を崩壊させる「寄食のダボハゼ」をおさめた短編集。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

表題作含む3編。
出てくる人ほとんどに狂気を感じる。だがかなり引き込まれる。話の終着点はどこへ行くのか気になりながら読むも、全く想像出来なかったラストに唖然とした。

表題作は女性の生理に羨ましさを持つ男子高校生菊人と、男性の精神だが肉体は女性である女子高校生睦美が出会うところから始まる。
出会う直前まで菊人がやっていたことがかなり衝撃的で気持ち悪くなりそうだった。
自分のやっていることは世間的には犯罪だと菊人は自覚しているが、本心では何の問題もないと思っている。実際、こういう人が周りにいたら嫌だろうなぁと思うが、彼は巧妙に自分を隠しているので、いたとしても分からないだろう。

終始、菊人は睦美をうまく誘導しているように見えた。睦美も"自分と似た存在"として菊人を見ており、2人の関係は外面的には良好だった。
しかし、これがラストで一転してしまう。

私はこのラストが好ましく思えた。自分の性に悩み抜き、自分なりに結論を出した睦美の姿は神々しかった。その結論が間違っていようがいまいが、それで良いのだ。
願わくば、これで睦美は自分の性を証明したのだから、これ以降は暴力性と無縁でいてほしい。
菊人の方は、新しい何かに目覚めたようで。めでたしめでたし。笑

著者の献鹿さん、好きな作家の1人になりそうだ。
ここまで気持ち悪くてハマる話は久しぶりだった。

0
2023年06月25日

ネタバレ 購入済み

文章が難解

文が難解すぎて途中で読むの諦めそうになる。赤泥棒はナプキン泥棒っていう衝撃的な設定から始まったのに何故か清々しい終わり方であまり好きじゃない。普通も同じく何故か清々しい終わり方。青辛く笑えよが1番好き。

0
2025年05月03日

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