【感想・ネタバレ】スターのレビュー

あらすじ

新人の登竜門となる映画祭でグランプリを受賞した尚吾と紘。二人は大学卒業後、名監督への弟子入りとYouTubeでの発信という真逆の道を選ぶ。受賞歴、再生回数、完成度、受け手の反応──プロとアマチュアの境界線なき今、世界を測る物差しを探る傑作長編。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

朝井リョウの本は世の中の解像度を上げてくれる。本当によく観察してる、何より目がいいんだろう。質とは、価値とはなんなのか、「質がいいものに触れろ」という祖父の口癖がこの本の核にあり、その言葉を胸に激動する世の中でもがき考え続ける尚吾の姿が印象的だった。朝井リョウは人が何かに影響されて変わっていく様子を描くのが上手い。とんな本でもvividに読み手が怖さを感じるほどに人が変わっていく。例えば、「知らないうちに悪い遺伝子に触れることで自分も生まれ変わってしまう。」という医者の発言が、大企業の経営者に反発した際に自分に戻ってくるシーンは震えた。皆、知らぬ間に変わっていくのだ。また構成の秀逸だと思う。朝井リョウの中で過去1の構成だった。質が低いとされているが、拡散され人の目につきやすい環境にいた絋と、質が高いとされているがなかなか人の目につきにくい尚吾、2人の環境は違えど最終的に同じような思考なら辿り着き、再開する2人。初めはこの2軸だったが、後半は泉と2人の対立軸に変化する。またこの2軸を解説してくれたのが千紗だった。彼女も尚吾と同じような環境いながらも「質」というテーマに向き合い考え続けていた。彼女が尚吾のなんとなく考えいたけど目を背けていたところをついたシーンは痛快だった。尚吾が知らず知らずのうちに自分の大切にしてたはずの考えが他から見たら違うように受け取られていたことを完全食の件ですっきりさせてくれた。質とか価値がテーマの作品だったが、朝井リョウは様々なプラットフォームができ、ピラミッド型で頂点にいる意味がなくなり細分化された世の中で、どう生きていけばいいのか教えてくれた。それは「想定していた相手じゃない人にまで届いたときに、胸を張ったままでいられるか」だと思う。

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2026年06月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

うわー!面白かった〜!!!
朝井リョウさんは、現代社会のなんとなくモヤモヤしている事象を言語化するのがとても巧いですよね。毎回言っている気がしますが、解像度がヤバいです。
今回はYouTubeで誰でも発信できる世の中になっていることにスポットライトが当たっています。色んな発信がされようと、受け取るのは変わらず人の心、というのがめちゃめちゃしっくりきました。文明が発達していくスピードに、人の心が追いついていないような気がしました。人が処理できる情報の量を、今の世の中でははるかに超えてしまっているんですよね。法律や倫理感が追いついていないような感覚、というのでしょうか。

朝井作品を読んだ後は、いつも見える世界が読む前と異なっているような気分になります。
しっかり言葉で物語が紡がれているのに、いざ自分で読んだ内容をまとめようとすると言葉が出てこない。まだ上手く自分の中で消化できていないんでしょうね。それぐらい今までの自分になかった考え方を、物語を通して与えてくれるのが朝井リョウさんなんだと思っています。

名監督への弟子入りと、YouTubeの発信という真逆の道を辿っていた二人が、最終的に同じところに戻ってくるのが、お互い本気で本物を求めた結果なんじゃないかと思いました。全ては心に繋がっている。

「スター」というタイトルは、最初は国民的スターのような意味合いで使われていたのに、終章で星型そのものの話になっていて、さらにこの物語をまとめる構造になっていて、思わず唸ってしまいました。かっこよすぎます!何とも言えない読後感。


余談ですが、作中に出てくる眼科医は、例のゆとり三部作の腹黒いくまのプーさんがモデルなんですかね?笑

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2026年05月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『スター』は、創作と評価について真正面から向き合った作品だった。

映画監督を目指す尚吾と、動画配信の世界で活躍する紘。対照的な二人の姿を通して、「良い作品とは何か」「評価されることにどんな意味があるのか」を考えさせられた。

SNSや動画配信が当たり前になった現代ならではのテーマを扱いながらも、単なる時事ネタに終わらず、創作に情熱を注ぐ人々の葛藤や成長が丁寧に描かれているのが印象的だった。再生回数や数字では測れない価値がある一方で、多くの人に届くことにも確かな意味がある。そのどちらも否定せずに描いているところに好感が持てた。

何かを作ったことがある人なら、登場人物たちの悩みや焦りに共感せずにはいられないのだろう。読み終えた後、自分にとっての「良い作品」とは何かを改めて考えたくなる一冊だった。

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2026年06月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

主張は理解できるけど、くどすぎるところも多く感じた。正統はの映画監督とユーチューブなどの新しいメディア派の対比くらいにしてらもう少しシンプルにしてくれたらよかった。後輩が出来てきたあたりから、分からなくなってきた。

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2026年04月20日

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