あらすじ
新人の登竜門となる映画祭でグランプリを受賞した尚吾と紘。二人は大学卒業後、名監督への弟子入りとYouTubeでの発信という真逆の道を選ぶ。受賞歴、再生回数、完成度、受け手の反応──プロとアマチュアの境界線なき今、世界を測る物差しを探る傑作長編。
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Posted by ブクログ
どんな相手に差し出すときでも、想定していた相手じゃない人にまで届いたときに、胸をはったままでいられるかどうか。それが、この世界と向き合うときの、俺なりの姿勢かもしれません。
名言です。
Posted by ブクログ
こんな素晴らしい作品あるなんて知らなかった!
なんで話題になってないの??
もしや知らない間になってた??
なんとなーく目に止まって読み始めました。
本当に朝井リョウは、私たちが日頃感じてるけど、
言語化できていない複雑な気持ちを
解像度高く表現してくれますね^_^
自分が正しい!数字が1番!
人と比べたい!人に勝ちたい!という性格の私に
ぐさっと刺さる本でした、、、
多様化な現代、それを受け入れような現代
だからこその悩みを描いた内容。
10年後はこんなこと当たり前で悩みすらしないのかな?
◯誰かがしてることの悪いところよりも、自分がしていることの良いところを言えるようにしておきたい
しばらくこの考えを心にとめておこう!
Posted by ブクログ
2人で賞を獲得し、名監督の下で働く立原尚吾とYouTubeで日々発信を行う大土井紘。
その信念は、人の目に触れる機会があるのか。
心に残り続けるものになるのか、はたまた心に残り続ける必要はあるのか。
新しいものが発信され続け、投じられる金銭はその流れに乗っている。
「でも、答えって答えとして差し出されても意味ないんだよね。私は答えより問いが欲しい。シロでもクロでもなくて、グレーを描けるのがフィクションじゃん。だけどあんたも天堂奈緒も、なんか、答えを持ってる人間に思われようとしてる気がする。それって逆に、こっちからすると何かが足りない感じがする」
答えはどんどん消費され、渇望される。これが時代の流れであるならばと、フィットさせていく自分がいる、騙されにいく自分がいる。
作者の葛藤も見える素晴らしい長編小説。
後輩が提案してきたオンラインサロンが結末になるかとおもったが、更に議論を深掘りし、問題を定義する。素晴らしい。
「生きている限り、何かを選び取ることからは逃げられない。だけど、無理やり同じ土俵に並べてこっちのほうが劣っているからとか、そんなふうに考えたわけじゃない……それくらいの曖昧さがないと、どんどん許せないものばっかり増えていっちゃいそうで、怖いの」
時代の交差を感じる今、価値観よりも早く、生きるための決断が迫られる。
疲弊するのか、チャンスになるのか。
この時代のスターはだれだ。
Posted by ブクログ
「星はそんな形じゃないって批判されまくったとしても、私の見えている星もそれですっていう人と出会えれば、そこが小さな空間になる。世界がまた一つ、小分けされる」
Posted by ブクログ
映像編集を生業している身として、グサグサ刺さるものがたくさんあった。自分はショウゴタイプに憧れるがなかなかなれないので、どこまでも質を追い求められる人はすごいなと思う。
言葉によって共感を呼ぶタイプの作品だけど、登場人物に語らせすぎて「物語」は感じにくい。最後はどうなったのかわからない「問」で終わるけど、ここは知りたかったかな。
以下登場人物の名言要約メモ。
頭の中に編集ソフトがあればいいのに。消費者がかけているのはお金でなくて時間。2時間かけて本気の映画を観るのは辛い。みんなが共感できる事が減ったから、生死を扱う医療ドラマが増えた。質を高めるのが許されるのは特別な人。若い人は1作品に問題提起を詰め込みたがりすぎ。答えよりも問いをくれる作品が好き。答えを持っている人間に思われたい。自分より自分の作品が愛されることを望む人じゃないと業界で生き残れない。テレビ番組は関係性を楽しんでいる。
Posted by ブクログ
面白ずんぎ。朝井リョウさんってXでバズる論争を言語化して物語にするの上手よね
「もうね、いやんなっちゃったんだよねえ。人によって評価の基準が変わる世界も、いちいちブレる自分も」
「俺、そういう文脈とか関係性みたいなものからできるだけ外れたくて、こうやってフラフラしてるのかもしれません」
ないものを、あるように。
あるものが、ないように。
それができないのは、人間の肉体だ。
「私の言葉を信じるのではなくて、私の言葉をきっかけに始まった自分の時間を信じなさい。その時間で積み上げた感性を信じなさい」
「そうすれば、いつか寂しいなんて子どもみたいな理由で次の時代に踏み出せない自分を、心の底からは嗤わないで済むかもしれないから」
「最近の尚吾は、自分の創るものの質を高めようとしてるっていうより、自分はしないって決めたことをしてる誰かを糾弾することに忙しそうだった。自分が知ってる頂点はそれをしてないんだから、って、怒り続けてるように見えた」
「どんな相手に差し出すときでも、想定していた相手じゃない人にまで届いたときに、胸を張ったままでいられるかどうか」
Posted by ブクログ
私自身、映像というものにほとんど興味がなく、映画もあまりみないし、YouTube熱もそれほど無い。
動画サービスのサブスクも登録していない。
流行には無頓着で、まるで生きた化石のようなおばさんの私にはなかなか難しい作品ではあった。
ただ、
共に大学時代を過ごした戦友のような尚吾と絋の二人が、映像という世界に違う入口から入ったにも関わらず、悩み苦しみ、結論として似た出口から出てくるのは、単純に嬉しく感じた。
流行に乗っかったり、
離れてみたり、
でも利益も追いかけないといけないって難しいのね。
この作品から、著者である朝井リョウ氏の繊細な心のヒダのようなものもひしひしと感じた。
心に残った言葉
↓
待つ。
ただそれだけのことが、俺たちはどんどん下手になっている。
わかる気がするー!!
(たぶん。)