あらすじ
ついに始まった竜王戦七番勝負。能面の如く無表情の新堂竜王に、月山は彼の意図を量れず苦戦する。だが盤に集中し駒の軌跡を探り活路を見出す。形勢が逆転する中、新堂の表情にも変化が生まれ…。二人の戦いは勝利への渇望をむき出しにし、将棋史に残る名局へと進化!! 棋界全体が注視する勝負の行方とは!?
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主人公の月山元は吸血鬼であるが故に不老不死。年齢にして約500〜550歳、将棋経験約300年。
「新しい戦法が生まれたかと思えば消えて また新しい戦法が生まれる」
主人公の将棋に対する好奇心のすべてを表し、人類の常識をはるかに超えた圧倒的な実戦経験とそこで培った棋力で、現代のプロ棋士たちを薙ぎ倒していく。
ネット将棋で顔も見せずに猛者たちを蹂躙する爽快さは読み手を裏切らない。
とまあここまでは割とよくありがちな俺TUEEE系な訳で、これだけでも十分面白い。
一方で、私が好きなのは月山と相対する棋士たちの方。竜王戦の階段を登っていくアマチュア棋士月山に対し、迎え撃つプロ棋士たちが皆魅力的で、毎話一人ひとりのドラマに感情移入してしまう。
ちなみに私、将棋は大して詳しくありません。ルールは一応心得てますが、戦術や定跡などは全く分からず。ただ、どうでしょう、この作品を読んでからはその印象も変わり、ちゃんとやってみたいかもと思うように。
この感覚、まさに『ヒカルの碁』を読んだ時と全く同じでして、ハードルの低さも魅力の一つ。まずは1話、読んでみてください。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
竜王戦は初戦のみの描写で、二戦目以降はナレーションのみ。
時差12時間の国へ行くことで、吸血鬼として最高のコンディションで棋士と対局できるようにするという発想は膝を打った。
推しは伊津先生です。
正に王道将棋漫画
最後まで読ませて頂きました。
本当に熱い!!将棋漫画だったです。
トーナメントで勝ち上がるガチンコ将棋漫画を読みました。
ここまで王道な展開の将棋漫画は本当に熱くで
全巻通して、熱い思いにさせて頂きました。
堂々完結
バンパイアが将棋で人間のプロ棋士に挑むという一見トンデモ設定が、バンパイアが徹底的な努力で強くなった凡才であることで一捻りあるエンタメ作品として成立している。漫画としての戦いの熱さ、ところどころ挟まれるギャグ、スピード感ある展開、引き延ばさず短くまとめた構成、となかなか最近みない佳作だった。
Posted by ブクログ
AIと超天才を得た「将棋」というゲームが創作者をインスパイアする。
林立する将棋漫画はどれも面白く、本作は人外(吸血鬼)を主人公に描く。
というとギャグのようだが、コメディ要素も散りばめつつ「AIに人間はどのように対するか」を正面から描いた力作。
スッパリとゴールを目指して描き切った感。