あらすじ
渡辺展子はいつも「ついてない」。親友は学校一の美女〝渡辺〟久美。同じ苗字の展子は「じゃない方」の渡辺になる。絵が得意で美術部に入ったのに、奇抜な絵を描く同級生の方が評価される。就職活動では自分だけ内定が取れない。結婚したら夫の会社が倒産……。いつも満たされなかった展子の人生に、幸せな日々は訪れるのか? 傑作長編小説。
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Posted by ブクログ
「人生はオーディションの連続だと思います。」
の書き出しに惹かれて読み始めました。
「じゃない方」感に苦しむ話かな?と思ったら割と前半だけで、殆どは主人公・展子が困難にぶつかり成長し、幸せに気づくまでのストーリー という感じでした。
プレッシャーから周りが見えなくなって、昔からツイてないせいだと思ってしまう展子の気持ちも、大雑把(よく言えばおおらか)で「なんくるなる!」精神の太一の気持ちも分かるな〜。
ただ、エスカレートする展子の詰め方は、普段言われる側にいる私としては文字で読んでてもキツかったです。
そして合間合間の語り口調に違和感があって「なんだこれ?」と思っていたのですが、最後の展開に涙、、、
いつからでも遣り直せるし、夢も叶えられるんだと勇気づけられました!
今私は展子と久美が結婚した年齢と同じ歳なので、これからのライフイベントについて考えるきっかけにもなりました。
読んでたらめちゃくちゃパンが食べたくなります。久しぶりに焼いてみようかな。
Posted by ブクログ
ずっと自分はついてないと思ってた。
親友は同じ苗字でなおかつキレイで自分は選ばれない方の渡辺
でも理解して応援してくれる優しい父親がいる時点で展子はとってもついているんだと。
学生時代って何かと人と比べて
なんで?どうして?が付きまとう
それくらい毎日誰かと行動していたから。
でも社会にでたら
いかに自分が挑戦できる場所にいるか
優しい家族がいるか
厳しくいってくれる兄弟がいるか
優しい友達がいるか
それだけで全然違う。恵まれてる。
病気になって亡くなる前に友だちが
展子はいつでもやりなおせる時間がある
子どもの成長をみることができる
それだけでどれだけ恵まれているか分かる。
劣等感の話かと思ってたけどそうじゃない
いかに展子が成長していて周りに恵まれてるからわかる本だった。
最後泣いてる自分がいた。
私は共感できて心から展子の幸せを祈った小説だったと思う。
Posted by ブクログ
主人公の展子は人生を「オーディションの連続」と捉えていて必死に合格をもらおうと頑張りすぎる性格。少し周りにも厳しすぎるが、思春期に強い劣等感を感じて生きていると、人生を勝つか負けるかで考えてしまう思考はとてもわかる。
ただ、彼女はとても周りの人に恵まれていて、父、妹、夫、友人が彼女の性格を理解してあたたかく見守っている。それに気づけたからこそ最後の最後、崩壊するぎりぎりのところで立ち止まって遣り直せたのだと思った。
途中途中で本人の語り口が入っているところに
違和感を感じていたが、最後のシーンで伏線回収されたかのようで鳥肌が立った。