【感想・ネタバレ】卍どもえのレビュー

あらすじ

時代と向き合い、社会を書く、ということ。
現代日本最高峰の作家は、〈平成〉を舞台に何を描き出すのか――。
人の世が綾なす芳醇の最新作!
〈解説〉阿部公彦

あらすじ――
東京・青山にデザイン事務所を構える瓜生甫と妻のちづるは、セックスレスの関係にあった。ちづるはある日、知人に紹介された年下のネイリスト塩出可奈子に誘われて、性愛の関係を結ぶ。
また甫には、旅行会社のプランナー中子毬子と古い付き合いがある。毬子の夫・中子脩は語学学校の経営者だが、女性関係が派手で夫婦の仲は冷えて久しい。中子夫妻は自宅のパーティーに瓜生夫妻を呼び、そこでちづるは毬子と意気投合する。
後日、ちづるから毬子を紹介された可奈子は、毬子も誘って三人でホテルに行かないかと、ちづるに提案する――。

都会の喧噪の中で交わされる、優雅で淫靡な秘密のささやき。錯綜する彼らの思惑がたどり着く先とは。

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Posted by ブクログ

辻原登『卍どもえ』中公文庫。

ロッキード事件、日航ジャンボ機墜落事件、オウム真理教事件、耐震偽装事件、五輪エンブレム盗用事件といった昭和から平成に掛けて起きた事件、映画や文学、ジャズをちりばめながら、瓜生甫とちづる、中子脩と毬子の二組の夫婦の奇妙な人生が描かれる。

同時代を知る者なら面白いシチュエーションなのだが、如何せんメインのストーリーは余り面白いとは言えない。

LGBTのLの世界がテーマなのか、二組の夫婦の出自がテーマなのか判然としないままにまるで騙されたかのように結末を迎えた。

東京の青山にデザイン事務所を構える瓜生甫は妻のちづるを構うことが無くなり、仕事や趣味などで知り合った女性と浮気を重ねていた。

もう一組の夫婦、語学学校を経営する中子脩と旅行プランナーの毬子も同様で、夫婦関係は冷え切っていた。

ちづるは知人に紹介されたネイリストの塩出可奈子に誘われ、性愛関係を結ぶ。やがて、ちづるは夫婦同伴のパーティーで意気投合した毬子も誘い、可奈子と三人で性が愛の深淵に足を踏み入れる。

その裏で、瓜生甫と中子脩の二人の夫は自由気ままに手当たり次第に女性に手を出し……

本体価格1,000円
★★★

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2023年02月27日

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