あらすじ
ふらりと旅に出たまま帰らない内田均の家に泥棒が入り、この家に出入りしていた元妻の高校美術教師と重役秘書と雑誌編集者という年代の違う女たちが警察で鉢合わせ。均ちゃんへのそれぞれの思いを胸に、ひょんなことから三人そろって箱根の高級温泉旅館に行くことになり……。切なくも軽やかな恋愛小説。
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Posted by ブクログ
均ちゃんの家に泥棒が入った。
ところが当の住人の均ちゃんが行方知れず。
そこで、均ちゃんの家に出入りしていた3人の女性が事情を聞かれるため警察に呼ばれ、顔を合わせる。
世代も職業も違う3人の女性の均ちゃんとの係わりと、彼女たちのそれぞれの事情や想いが描かれたお話。
面白いのは、中心人物の均ちゃんがなかなか登場しないこと。
女性たちのストーリーがどんどん進んで行く中で「それで、均ちゃんは?」と思いながら読み進め、やっとこさ均ちゃん登場!
3人(いや、実は4人?5人?)の心を揺さぶる均ちゃんのキャラクターも、なぜか憎めない。
偶然出会ってしまった3人の女性の係わり方も面白かったです。
さあ、均ちゃんは、あの家に帰ってくるのでしょうか?
ミステリーでもないし、かといって恋愛小説でもないし…。
スルスルと読めました。
私が好きなかんじの作風です。
中島さんの本、もっと読んでみたいなと思いました。
Posted by ブクログ
さらさらさーと書いてるけどリアルだぞ。
留守中の均ちゃんの家に泥棒が入った。
事情聴取をしたい警察は、均ちゃんと関係のある3人の女にたどりつく。
・女子高の美術教師をする女(均ちゃん家の大家であり元妻/50前後)
・重役秘書の女(不倫相手が本命で均ちゃんは2番目/30代後半)
・ティーン向け雑誌編集者の女(均ちゃんの年下の彼女/20代)
女3人初顔合わせの第一話から、均ちゃんが帰ってくるところまで
ざっと4ヵ月間の物語。
4ヵ月の間に動く女たちの、そして均ちゃんのお話。
均ちゃんのようにだらしのない男が世界で一番嫌いな私に、
嫌悪感を抱かせなかったのは作者の才の極みですね。
あっぱれです。