あらすじ
「すべての出会いは運命的だ」
35歳、9月。ロンドンで高校の同級生の結婚式に参加した。
仁と茜の夫婦は、茜の古い友達を訪ねてペルージャまで足を延ばす。
そして窓目くんは、結婚式でシルヴィに出会ってしまったのだった。
――言葉と記憶があふれだす、旅の連作短編集。
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Posted by ブクログ
旅のなかで、芽生える友情や恋心。
その旅先で、どんな物語が出来上がるのか、そして、その物語が全部が良い物語とは限らない。
本作の登場人物たちも、旅先で、様々な体験を
目の当たりにし、新たな価値観を得る。
本作では、イギリスとイタリアにそれぞれ旅に
向かうのだが、茜と仁の夫婦は、仁の友達のけり子の結婚式が行われるイギリスに向かう。
その後に、今度は茜の友達が住んでいるイタリアのペルージャに向かうのだが、そこまでに行くのが大変で、バスの乗り換え、チケットの買い方等、
様々なトラブルに遭いながら、夫婦お互いの目線で、物語が語られている。こういう性格なんだとか、英語しゃべれるんだとか、普段あまり知らない部分が、慣れない土地での旅でお互いに見えてしまう。少し嫌悪感を感じてしまう部分も露わになるのだが、茜と仁2人の絆が垣間見れる、良い物語でした。本作は、連作短編になっていて、茜と仁のストーリーと、仁の友人の窓目の話も描かれている。窓目の健気さにやられました。優しさは
時に自分を傷つけてしまうのかと、あらためて実感しました。