あらすじ
「大人になったらベルリン・フィルの指揮者になりたい」小学校の卒業文集に書いたその夢を叶え、2011年5月、ついに世界最高峰の指揮台に立った著書。本書は、いまや『題名のない音楽会』などでもおなじみの著者が、若き日に欧州の名門オーケストラに単身挑み、世界的指揮者へと成長していくまでの記録。突然の曲目変更で徹夜、ひと癖もふた癖もある天才演奏家に苦悩、プレッシャーで眠れぬ夜……さまざまな壁にぶつかりながらも、夢に向けて努力を続ける姿がみずみずしく描かれており、ファンならずとも大きな勇気をもらえる1冊。文庫オリジナル。「このエッセイを書いていた時代というのは、いよいよ僕がヨーロッパというクラシック音楽の本場を舞台に、さまざまな世界中のオーケストラと出会い、時には肩肘張ってでも、『なんとか指揮者としての仕事をやっていけるぞ!』と、自分に言い聞かせていた時だったように思います。数々のヨーロッパのオーケストラを相手に、無我夢中で頑張っていたこの数年間がなければ、今の自分はなかったでしょう」(「まえがき」より抜粋)
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Posted by ブクログ
『僕が大人になったら』/佐渡裕/★★★★★/世界的に活躍する指揮者の回顧録。指揮者としての活躍ぶりのすごいこと…その内容を読んでいくだけでもすごい楽しい。でもそれだけじゃなくて、ゴルフの話とか食べ物の話とか、人としての一面をあるがままに書いているところも楽しい。この人の指揮の演奏を聴いてみたい!そう思いました。
Posted by ブクログ
日本を代表する指揮者、佐渡裕さんのエッセイです。
2011年5月にベルリン・フィルで指揮をしたことはTVでもドキュメントでとりあげられていました。
ショスタコービッチの交響曲第5番 私もTVで見ました!
このエッセイは、佐渡さんがベルリン・フィルで演奏するずっと前、若き日の奮闘記を描いたものです。
イチローが小学校6年の時に作文に
「僕の夢は一流のプロ野球選手になることです」
と書いたことは有名ですが、
佐渡さんも小学校の卒業文集に
「大人になったらベルリン・フィルの指揮者になりたい」
と書いていたそうです。
それを実現したんだから、すごいですよね~。
夢に向かって努力し続ける姿に勇気をもらえる一冊です。(そして、それがかなっているのですから!)
なんか読んでいてほろっとくるところも沢山でした。
「当分はこのフランスにいることになりそうだ。ベルリン・フィルにはずいぶん及ばないが、今の僕にはこのラムルー(管弦楽団)が宝だ。
ゆっくりゆっくり進もう。僕の人生だから」
海外で活動することになった佐渡さんが、言語がうまくいかないかもしれないと悩むときに恩師の英語教師が言った言葉
「佐渡くん、セルゲイ・クーセヴィツキー(ロシアの指揮者)は、ロシアから
ボストン・シンフォニーに来た頃「カンタービレ・プリーズ」しかしゃべらなかったそうです。
大丈夫ですよ。だから音楽は素晴らしいのですから・・・」
どちらもいい言葉だなぁと思います。
音楽好きな人には、
「夢が必ずかなう方法」うんぬんなんて書店に並んでいるベストセラーを沢山読むより、
このエッセイを読んだほうが、勇気をもらえるのではないかなぁなんて思いました。