あらすじ
心はカラッと、人づきあいはサラッと、人生はすっきりと。
過去は忘れて、未来の心配も保留に。
後悔しない、競争しない、我慢しすぎない「今」の歩き方とは?
「また寄りたくなる」と評判の漢方心療内科医の「軽くなる」生き方指南書。
京都にある、小さなクリニック。
ここで診察にあたる91歳の心療内科医の言葉が話題になっています。
日々、訪れる患者さんに届けているのは、からだと心がラクになる処方箋。
たとえば診察後、おきまりの「お大事に」の挨拶ではなくて、「ご自分をお大事になさってくださいね」という言葉で送りだす藤井英子医師。
患者さんはハッとした顔をして、それまで後回しにしてきた自分を思うと言います。
人づきあい、老いとの向き合い方、健康管理など、生きることのあらゆることについて、「これは忘れていい」「これは大切に」という切り口で71の生き方のヒントをお届けします。
藤井医師は89歳でクリニックの院長職を退職後、自身のクリニックを開院。91歳のいまも、毎日バスと徒歩で通勤し、スマホも使い、ちゃちゃっとパソコン作業もこなし、ブログでの発信もしています。
そんな藤井医師の元気の秘訣は「さっぱりと生きること」。
「いやなこと」「ちょっとした心のひっかかり」「執着」は忘れて、そのぶん、本当に大切にしたいことに、心を注ぐ。
若々しい心とからだで生きるコツが満載の1冊です。
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このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
京都で漢方心療内科を営む91歳(執筆当時)の現役医師・藤井英子先生による、肩の力を抜いて生きるための指南書。
診察室で患者さんから、もっとラクに生きられる方法を問われた時の先生のお答え「いい塩梅を大切にしてください」。これに尽きると思う。
ほどよく忘れて、スッと一歩引き、心はカラッと。
よい距離感で、さっぱりとした心で生きていく。
先生の言われる「いい塩梅」「ほどよく」「よい距離感」を自分の中でいかに掴めるかが大切なんだと思った。人によって塩梅の加減も違うはずだから。
ずっと昔のことなのに嫌な記憶がふとした瞬間に蘇り、魚の子骨のように引っかかってモヤモヤすることが多々ある。一旦負のループにはまるとなかなか抜け出せずもがくばかり。
そんな時はまずは「10分だけ脇に置く」からはじめてみる。それに慣れたら気持ちも楽になれるのかな。先生の仰る通り、ほどよく忘れて生きていけるかしら。
先日最終話を迎えたNHKの夜ドラ『しあわせは食べて寝て待て』の中で、主人公の麦巻さんや周囲の登場人物たちのセリフと内容がダブっていて、余計に心に刺さった。物語のテーマが似ているせいだろう。麦巻さんが最終話で言ってた「やるだけやった」に繋がって驚いた。
気になったワードメモ
●人間関係の折り合いをつける前に一旦その存在を忘れる時間をつくる
●合わない人とはさっさと距離を置いて、その人の存在をできる限り忘れる。「心の境界線」を引く
●現実が思い通りでないなら「何かが違う」、のサイン。別の方法を試してみると案外うまくいくかも。
●漢方薬は自分でよくなる力、自己治癒力を回復させる薬でもある。処方を間違えない限り時間が経てば改善の兆しが見えてくる
●貯金より貯筋
●一日三回の食事を大切にする。特にたんぱく質を意識的に多く摂取すること
●青魚も大事
●「まごはやさしい」の食養生を、バランスに留意しながら取り入れる
●人生後半は無病息災より一病息災。一つくらい病気がある方がかえってからだのことを気遣うことができる
●怒りやイライラの原因は栄養不足、睡眠不足、運動不足かも
●「これがだめならこっちがある」と逃げ道をつくっておくことは「人生の大切な隠し球」を持つことであり、軽やかに生きる技術でもある。道は多い方がよい
●できないことは忘れて「今あるもの」「今日できること」をみる
●経験はものごとをおおらかに見るための羅針盤
●良かった過去もほどよく忘れる
●失敗した時に自分をすぐに許せるか。自分を責めない
●未来への心配や不安な気持ちになったら、その心配や不安を保留にしておく。今できることだけに集中する
●大人になってからの人生は自己責任
●鬱々した気分を忘れるため、気持ちを切り替えるための自分なりの方法を見つける
●時間は薬だけれど、悲しみや寂しさが癒えるには途方もない時間がかかる。時間を忘れさせてくれる「手仕事」はいい相棒になる。無心になれる趣味を持つ。手は第二の脳。手指を動かすと脳が活性化する
●年を重ねるごとに一歩引く。謙虚さは大人の証明。
●白黒つけないグレーも悪くない
●私なりに今日まで頑張って生きてきた、と自分の選んだ道を肯定する
Posted by ブクログ
私の今の状態にとても良かった。すごく励まされたし、なんか心療内科のこの先生の所でお話を聴いているみたいな感じ。押し付けがましさがなく、柔らかく、それでいて重要なことはちゃんと言ってて。この本に今出会えたのもなんらかの導き、縁なのでしょう。頑張りたいと思った、あまり力みすぎずに。
Posted by ブクログ
年齢は関係ないですよ、と、ご自分で言われても、
「89歳でクリニックを開設した91歳の現役医師」というのは、どうしたってすごいと思う。
漢方心療内科とのことで、近くにあったら行きたいなあと思った。
見開き2ページで、ひとつの項目について書かれている。短く優しくわかりやすく、話しかけてくれてるような文章だと思う。
心に残ったことは下記
①「いいことも悪いことも過去はなるべくカラッと忘れて、そんなことより今を生きる」
辛かったことをずっと覚えてるのは、よくわかる。
恐怖も苦しさも悔しさも後悔もひきずると思う。
でも意外に、良かったことも生きる足かせになる場合がある。
特に若い頃に体験した、強烈な楽しかった思い出。
仲間たちと毎日頑張って何かを創り上げたとか、
何かを達成して周囲から賞賛されたとか、
大恋愛をしたとか、そういうキラキラした日々。
その後に就職して社会人になると、そんな強烈なことなんて起きない。あんな日々は2度とないのだと、寂しさと諦めと、あの頃は良かったっていう想いがずっと残り、現状がつまらなく不満を抱き続ける人がいることを、私は知っている。
いいことも、ほどよく忘れることが出来たら、
「今このとき」だって楽しいかもしれないのにね。
②「相手が受け止めてくれるか、自分の希望に沿ってくれるかは、相手の問題だが、自分の思いを相手に伝えることは、自分が自分のために出来ること」
わかってくれないと言って不満を持つ前に、
私はこうしてほしい、とちゃんと伝えているか。
何度も伝えてるのに伝わってないことがある。
言葉を変えたら、そういうことだったのかー、ってやっと伝わったということもあると思う。
③「情報過多の時代だからこそ、自分で調べて自分で考える。病気の治療法も自分で決める」
④「我慢はひとりよがり。しなくてもいい我慢をしてないか。大変でも乗り越えないとならないことは、我慢ではなく、頑張り時」
⑤「これがダメでもこっちがある、という逃げ道を用意する。道は多いほうがいい」
⑥「自分の人生がうまくいかないことを、いつまでも親のせいにしない。大人になったら人生は自己責任。自分を動かせるのは自分だけ」
何歳であっても、勉強して、新しいことも取り入れ、自分で考えて行動する。この著者の生き方そのものが、お手本になるだろうなと思いました。