あらすじ
耕三によって明かされた、自分たちは2000回もループを繰り返しているという衝撃の事実…。翼は偽の翔に何が起きているのかを問い質す。事故の秘密を知れば全てがわかると伝えられた翼たちは手がかりになりそうなアルバムを見つけて――!?
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目が覚めたら病院にいた主人公は、自分の事も家族のことも一切覚えていませんでした。
ですがそれは、彼の目覚めを待っていた家族であるはずの5人も同様で…。
なんと、家族旅行の途中事故にあった影響で、
父・翔(かける)
母・美奈子(みなこ)
祖父・耕三(こうぞう)
祖母・幸恵(さちえ)
兄・翼(つばさ)※主人公
妹・詩織(しおり)
の一ノ瀬家6人全員が記憶喪失に。
記憶を取り戻すべく架空の思い出トークをしたり必死に家族ごっこをする内、記憶がなくても家族としてやっていける気になりますが、いざ家に帰ってみるとそこには思いもしない現実が待ち構えていたのです。
描くのは『タコピーの原罪』で一世を風靡したタイザン5先生。
今作も最初から不穏だらけの展開です。
不穏さを描かせたらタイザン5先生の右に出るものはいないのではないでしょうか。
まず注目していただきたい不穏シーンは、病院を退院し家に戻る際のキラキラした希望にあふれるコマから一転、現実を思い知らされる展開。絵の表現による不穏さが凄いです。
なんとなく嫌な予感があったにも関わらず、ページをめくった瞬間「あぁ…」という絶望的なため息が出ました。
次に注目の不穏シーンは、記憶のないまま翼が復学し同級生から温かく迎えられた…と思いきや実はいじめられていたことが発覚するシーン。
正直、こんなに平和な展開は続かないと思っていました。
思ってはいましたが、それでもなお予想の上を越えてくるのがタイザン5先生。
読んでいる側は感情が上がったり下がったり、ジェットコースター状態です。
そんなハードな状況にも関わらずキラキラと目を輝かせ、常に前向きで明るい翼に底知れぬ闇を感じずにはいられません…。
ただその明るさのおかげで物語が救われているのも間違いないのです。
翼ひとりでも衝撃の事実が次々明かされていきますが、他の家族も同様にワケアリな様子。
この家族は一体どんな問題を内包していたのか…不安が募ります。
家族が記憶を取り戻したら一体どんな事実が明らかになるのか!?
家族が記憶を失うキッカケとなった事故も…もしかして…。
不穏が渦巻く物語、心して読んでください。
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このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
第17~25話
話が微妙にわからないような、すっきりしない武運があるけれど、なんとかついていってます。
昏睡?そして目覚めたけどこれは夢?現実?そして誰の?
あ、やっぱわかってないわ。
2巻でも同様のことを書いたけど、これ、単行本で読んだからまだ微妙にわかってるかもという感覚で読めるけど、毎週毎週リアルで読んでいる人は話について行けてるのかな?
Posted by ブクログ
夢だったのか…!夢を家族と共有はしてるけど、翼の願望が強く反映されてたのかな?願望だから話が何となく薄っぺらいのか…いじめは解決したようでよかったかな、中嶋は自然に友達に戻ってるな…。実際に起きてたことが何かがまだよくわからない感じだ。現実の翼はそこまで暗くもないけど、変に明るくもなくて、現実味あるな。
祖父は認知症か…祖母は特にないのかな、まあ、祖父のことで孫を崖から落とすくらいに思い詰めてるけど。祖父との話で妙なループとか部屋の様子が変わるのとか、わかるとぞわっとした。
一ノ瀬家は結構前なのか、翼が小学生のうち?におかしくなったのかな。夢からいなくなる条件なんだろ…やっぱり過去を受け入れるってこと?両親が三人で頑張ろうとか言ってるのが怖い…詩織もいるじゃん…他の人は現実でどうなってるんだ。
Posted by ブクログ
前途多難に変わりはないけどそれでも人生続いてくんで、っていう、そういうのを本当に魅力的に描かれるなぁと、本作も感じました。どこの家にも大なり小なりある家庭内崩壊、愛しくて楽しい記憶、忘れたいと思ってしまうほどに苦しい大切な思い出。
ところで、大罪が『七つの大罪』を示唆しているとしたら、それは某所によれば「七つの死に至る罪」であり人間を罪に導く可能性があると見做されてきた欲望や感情のことを指しているようなのですが、一ノ瀬家の誰が何の罪の象徴なのか、とても気になります。