あらすじ
1950年代、日本。
征四郎は、戦争のトラウマから夜ひとりで眠ることができず、
うだつのあがらない日々を送っている。
そんなある日出会ったのは、優しい駐在アメリカ兵・ジム。
ジムは、征四郎に一目惚れをしたのだという。
これは、この人生を変える絶好のチャンスなのかもしれない――…。
打算から始まった関係だったが、
甘やかに抱きしめられ眠りにつく日々は、
次第に征四郎の心を溶かしていく。
しかし自分たちが共に生きていく未来を思い描けず――…。
◆収録内容◆
「ひとりで夜は越えられない」1~6話
単行本収録描き下ろし9P
特典(おまけイラスト1P)
※「特典(おまけイラスト1P)」は紙コミックスの応援書店にて配布されているものと同様のものが収録されています。
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よかった!
今よりももっともっと自由に恋愛などができない時代に出会った2人。2人ともいろいろなものを抱えながらも惹かれていく様子は切なくて、でも素敵でした。簡単ではないけど、いろいろなものを捨て、本当に大切なものを選んで生きていくことを決めた2人。ずっと幸せでいてほしいと思わせてくれるおはなしでした。
戦後のお話
敗戦国と勝利国、アメリカ人と日本人、男同士。
何もかもが相容れない関係の中で、離れられなくなった2人は、運命なのだろう。過去の重過ぎるトラウマを背負い生きてきた2人は、きっとお互いを救済し合いながら生きていくのだろう。願わくば誰もが辛い思いをしなくて済む様な、そんな未来になってほしい。
儚く繋がりあう二人の美しさよ…
最初は軽いノリで付き合っちゃえ!みたいな雰囲気かと思いきや、
体の交わりはじっくり少しずつ、心の距離もまた縮まっていきます。
お互いに悲しみを抱え、寂しさに手を伸ばし合って、傷つけ合いながら、
代えがたい想いを紡いでいるような描き方でとても心にささりました。
もともと寂しさ、苦しさから女性と夜を過ごす征くんだったけれど、ジムくんに大切に大切にされることで栄吉さんとの過去にピリオドをうてたのだと思えます。
絵の美しさもさることながら、ドキドキのイチャイチャシーンやちょっとしたお出かけシーンまで愛おしさいっぱいです。
ぜひ今後とも読み返したい一冊です。
辛い切ない。その後希望。
すっごく良かった。
本当は、この時代背景の作品は、好きではない。
辛くて悲しい作品が、多いので・・
この作品もそう。
同性同士ましてや、少し前まで敵同士。
途中から、涙出そうになりました。
最後に、現代版のふたりのイラスト良かった。
そのバージョンも、読みたいな。