【感想・ネタバレ】黒焦げ美人のレビュー

あらすじ

大正初年の岡山。妾稼業をして両親と妹を養っている珠枝は、金回りのいい旦那から与えられた家で気ままに暮らしている。そこに近在の高等遊民たちが集い、優雅なサロンのような様相を呈していた。しかし大晦日の夜、珠枝は惨殺されてしまう。家ごと焼かれ、後ろ頭の髪の毛と右の耳以外は黒焦げの姿で。「近年稀な大事件」として広がる波紋、妹を通して語られる意外な犯人像。仄暗い場所から語りかけてくるものとは……。岡山で実際に起きた猟奇事件に取材した力作長篇。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

丸焦げに惨殺された美しい姉、唯一焼け残った耳は思い人のヴァイオリンを聴くためか?と一気に惹き込ませる。後半で"透明"すぎて不明確だった犯人の人物像に色がつき印象が変わる。身勝手な殺人が、すれ違い交わることのない2人の唯一の結末として嵌ったと思わせタチが悪い。

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2021年07月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2002年「黒焦げ美人」、2006年「べっぴんぢごく」。
史実を題材にした前者、キーパーソンの藤原を女系一族の歴史に組み入れた後者。
後者は「百年の孤独」を謳うにはやや小ぶりだったが、それでもフリークス好きには堪らない展開で、凄まじさにやられた。
そして本書は、いわば「精神の畸形」を描いたものでもある。
その精神の在り方、やはり凄まじい。
岡山版「冷血」を謳うほどでは決してないが。

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2017年11月25日

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