あらすじ
19歳になったジョン・グレイディ・コールは国境近くの牧場で働いていた。メキシコ人の幼い娼婦と激しい恋に落ちた彼は、愛馬や租父の遺品を売り払ってでも彼女と結婚しようと固く心に決めた。同僚のビリーは当初、ジョン・グレイディの計画に反対だった。だがやがて、その直情に負け、娼婦の身請けに力を貸す約束をする。運命の恋に突き進む若者の鮮烈な青春を、失われゆく西部を舞台に謳い上げる、国境三部作の完結篇。
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Posted by ブクログ
「すべての美しい馬」のジョン・グレイディ・コール、「越境」のビリーが「平原の町」では同じ牧場で働いている。
「越境」でのビリーは世捨て人のような、世界に背を向けようが何をしようが、お構いなし、という感じだったが、ここではジョンの兄貴分として、大人になっている。
「すべての美しい馬」のジョンはどう生きるべきなのか、世界にもまだ淡い期待を持っていたように見えた。ここでもそれは変わらない。
そしてジョンは娼婦に恋をする。意味を持つ世界を信じるジョンは娼婦に入れ込み、結婚を申し込む。
ビリーをはじめ、誰もが諦めるようにジョンを説得するが、ジョンは聞かない。
ジョンにはなんとかなる、という淡い期待がある。普通、これを”若さ”として描くのだろうが、マッカーシーは”狂ってる”若者として描く。
やがて、娼婦は殺され、ジョンは死ぬ。
これを単なる愛憎劇と見ることもできる。
だが、生き方を変えられない、自分の物語に縛り付けられた人間の姿にも見える。
過去も未来も、そして歴史の中でも、人は物語を作り続ける。
夢の中でも。
それが人間なのかもしれない。
だが、それを“生きている”と呼べるのかどうかはわからない。
人は人の言葉でしか世界を語れない。
それでも世界は動き続ける。